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2021/02/27

「愛の不時着」を観る

Netflixで「愛の不時着」全16話を日本語吹替版で観た。昨年から話題になっていたが、Netflix再契約を機会に昨年末から観始めた。連チャンで見ず、週一の1話ペースで視聴。

財閥の令嬢で実業家のセリはパラグライダーを飛行中、突如竜巻に巻き込まれてしまう。不時着したのは北朝鮮の非武装地帯。見つかったセリは逃走も人民軍の中隊長ジョンヒョクの家で匿う事になる。国の違う二人は衝突するも、やがてお互いを想う仲となる。だが韓国に帰す事こそ大事と手を尽くすジョンヒョクだが...

第一次韓流ブームの頃から日本のドラマの影響を言われているが、その指摘は今更感。面白いものは面白い。美男美女のラブストーリーにサスペンス。そして韓国ドラマらしく笑いの要素も交える。フォーマットは1話約80分、最終話は110分。映画ならトータルダレてしまう長さだが、テレビドラマなら1話ずつ気軽に観れる分その心配はない。

まずセリとジョンヒョクの関係性は観ていて飽きない。徐々に互いを思いやる関係は視聴者の想定通り。だがそれを超える伏線を用意するから見応えがある。やがて明らかになるセリとジョンヒョクの運命の糸、二つの国を通し危険を度外視して互いを護る姿に惹かれた。現実、分断の続く中限られた条件下で精一杯のハッピーエンドと言えるだろう。

日本語吹替版、セリの声を充てたのは沢城みゆき嬢。声質と演技、マウントの高い雰囲気がセリにマッチしており、それだけで導引力は高い。さらに北での第5中隊や村人たちとの交流、その後の恩返しはみゆき嬢の声無くしてイメージできない。日本でのブーム、影の立役者は彼女だと思うのです。

第5中隊のメンバーも個性的でいい。特にシリーズ後半は彼らを通して伝わるカルチャーギャップが可笑しい。中でも先輩隊員のピョ・チスがいい味を出してる。セリとのツンデレ感も時にシリアスな物語のスパイスになった。ジュモクもいいよね。北なのに韓流好きとは。そしてセリが仕掛けるサプライズに観ているこちらまで驚き。

ジョンヒョクの婚約者ダンに、スンジュンの二人の末路、耳野郎こと保衛部のマンボク、村の婦人たちにもちろん悪役チョ・チョルガン。どのキャラも立っているし、三ヶ月近く追ったドラマだから、物語だけでなく登場人物たちに情が湧いてしまったほど。観終えた今、ロスっぽい感情が芽生えている。

印象的に登場するトラックを見て「マッドマックス」好きなスタッフなのだろうなと思ったら、セリが劇中で「好きな映画は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」」と言った瞬間、思わず膝を叩いた。こういう洋画ファンを意識した演出もこの作品の好きなところ。

スイスの風景を見て、実際に乗った登山列車を思い出す。視聴者にとってもコロナ禍、二人の旅路を通して海外旅行する気分なのかも。またスイスに行きたいな。

さて次は「梨泰院クラス」なのかもしれないが、残念ながらNetflixの契約は今月末で一旦止め。再契約は「全裸監督」の新シリーズ待ちになりそうです。

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