「ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン6」(吹替版)を観る
WOWOWで放送された「ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン6」(吹替版)を観終えた。Netflixで先行しても良かったが、そもそも紆余曲折があったこのファイナルシーズン。ソフトランディングはあり得ない。通常シーズン13話が8話に短縮。物語もやや強引さが否めなかった。
史上初、アメリカ女性大統領となったクレア。だがその傍らに夫フランシスの姿は無かった。やがてクレアはアンダーウッドを旧姓ヘールに戻す。そして彼女に体に変化が...果たしてフランシスの身に何があったのか。間もなくクレアは民主党を支持する富豪シェパード兄妹からの圧力を受け始める。
Netflixにとっては目玉コンテンツ。製作陣にはフランチャイズ、雇用を守る意味で製作を止めるわけにはいかなかった。結局物語の顛末を見届ける事にしたが、スケール感は後退し絵空物語としても説得力に欠ける展開。フランシスというカリスマを失い、クレアが一人引き受けるには、これまで広げた風呂敷があまりに大き過ぎる。
核を持ち出しスケール感を補うが、最終話は実にパーソナル。フランシス、クレア、ダグの関係にシフトさせ「あとはご想像にお任せします」というまとめ方。オリジナル「野望の階段」は実にクールな終わり方だったが、共通する結論はやはり女性が一番怖い存在という事だろうか。
ファイナルシーズンだからその落とし前をつける形かもしれないが、本シリーズはやたらと人が死ぬ。それも最後まで。死ぬだけでなく墓場から死体を引きずり出す始末。物語から駆け引きらしいものは一切無くなってしまった。シェパード兄妹も居ても居なくても良かったような。
Me Too問題もあってシーズン5以前のケビン・スペイシーは1カットの映像すら使われなかった。そこは製作陣の覚悟。とはいえ、観終えて他のファンと同じ感想に至るのは仕方なし。改めてフランク無き、いや亡きシーズン6、ファイナルを観るべきか否か。今なら間違いなく後者を選ぶ。
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