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2020/12/31

2020年総決算「映画篇」

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今年劇場で観た映画は30本。実は前年の鑑賞数と同じだった。今年当初は最多ペースで鑑賞数が進んでいたが、コロナ禍で完全に足止めを喰らった。本当なら「10本は違った」と恨み節を言いたいところ。新作は延期か配信に回るし、30本中7作はリマスターやIMAX、企画ものだった。映画会社、劇場、そして映画ファン受難の年。そんな2020年のマイベスト10は...

1.「ストックホルム・ケース」
2.「ミセス・ノイズィ」
3.「TENET テネット【IMAXレーザー字幕版】」
4.「ミッドナイトスワン」
5.「スタートアップ!」
6.「家族を想うとき」
7.「パラサイト 半地下の家族」
8.「ジョジョ・ラビット」
9.「リチャード・ジュエル」
10.「地獄の黙示録 ファイナル・カット[IMAX版]」
(番外)「ダークナイト」【IMAXレーザー字幕版】

M-1グランプリの出演順じゃないが、後に観るほど印象に残る。その点トップ5は今年後半に集まったのはご容赦。それに順位はあってないようなもの。以下はその短評。
愛すべき小品。舞台となる70年代、映画の雰囲気と懐かしさ。個性溢れる登場人物への感情移入。まるで舞台劇のような感覚。終劇、観る側誰もが「ストックホルム症候群」に陥っている事に気付かされる。
刺激的なタイトルによるミスリード。家族という一つの世界、近所付き合いという世界観の衝突。そこに現代社会、世相を重ね、悲劇と喜劇が描かれる。他人事と思えない事情も後押し。
映画で描く"時間"というパズル、しかも"逆行"ときた。ノーラン監督らしいビジュアルとストーリーテリングは一度観ただけで読解不能。様々なプロットが好奇心を刺激。劇場で二度観て驚き、理解を深める。
多様化した社会に受け皿から溢れる人々。そんな主人公に光を当てる。草なぎ剛渾身の演技とやるせなさ。本作の持つ肌触りに心の痛みを伝える。これぞ邦画の持つ底力。
今年一番のどハマり俳優、マ・ドンソクの圧倒的な存在感が光る。コメディもシリアスも演じられる幅の広さ。物語は社会の底辺、共感を呼ぶポジティブな青春群像劇。
社会派監督ケン・ローチのまさに今を切り取る佳作。社会の不平等と格差、その皺寄せが主人公と家族を襲う。これは現実。コロナ禍以後はその重みがより増しているように思う。
アジア圏初のアカデミー作品賞の快挙。ただそれよりも国を問わない格差社会。ユーモアを散りばめ、ラストは現実とファンタジーの狭間で想像力を掻き立てる。
現実とファンタジーの狭間なら本作も同じ。ユーモアあってこそシリアスなテーマが浮き彫りとなる。少年が成長する姿と終戦への開放感が重なっていく。
御大クリント・イーストウッドの止まらない創作意欲。スポットライトを当てた主人公の不器用さ。そこに付け込む国家陰謀。SNS時代、情報操作の恐ろしさは今も変わらない。
コッポラ監督の名声とその後のどん底を表したような本作、その最終版。再編集の妙、IMAXの音響と共に難解さよりも画面を通したウィラードの追体験が興味深い。
今年何本か観たIMAX作品の中でダントツ、ホームシアターや劇場体験を大きく超えている。ビジュアル、音響、キャラクター、もちろんストーリーの四位一体。年イチで上映機会を作って欲しいほど。これを観ずしてIMAX通と言わせない。

映画は音響が全てではない。それは奇しくもコロナ禍で上映された旧作が表している。劇場体験こそが大事。
「マッドマックス2」「仁義なき戦い」「AKIRA【IMAXレーザー版】」はそれを教えてくれた。画面の個室化、スマホ時代に相反する大画面こそが正義だと思う。

テレビで映画は17本しか観てない。ただその中でも
「凪待ち」の感想へのリアクションが嬉しかった。人の痛みへの共感、そして演者への賛辞。「半世界」「ミッドナイトスワン」「凪待ち」と三つの作品を通し、改めてSMAP、彼らのこれからの活躍を期待したい。

テレビシリーズは間違いなく「ハウス・オブ・カード 野望の階段」。
シーズン5で終わりと割り切って観る事を薦める。どんなに良い事を言っても建前。読み取る本音こそ恐ろしいのが政治。本作はそれを教えてくれる。日本の政治もこの作品と変わりはしない。その点で「新聞記者」「i-新聞記者ドキュメント-」必見だ。

「コンディション」
を観て以降、映画は現実に予見するも、現実は変異種の誕生でそれを超えていく。ただ早く日常が戻る事、盟友N氏と心待ちしていた「007」が来春こそ上映される事を祈りつつ、来年もたくさんの映画に出会いたいと思います。

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