「スタートアップ!」を観る
今日は仕事帰りに韓国映画「スタートアップ!」を観てきた。トップロールは大きくポーズをとるマ・ドンソクだが、この作品はあくまで青春群像劇。
高校を中退し母親と口論が絶えないテギル。親友のサンピルと警察沙汰の事件を起こして母親と決別してしまう。そんなテギルはある街の中華料理店で配達のバイトを始めるが、バイト仲間のコソクらとの共同生活によって少しずつ変わっていく。そんな最中、母の店が立ち退きを受ける事がわかるのだが...
とにかく活きのいい作品。アクションも演出もキレが良くて物語もダレない。この作品に成功者は出てこない。ある者は金の力、犯罪を犯してどこが悪いと。でも主人公たちはそんな社会をがむしゃらに生きながら、やがて自分たちの行き場を見つけていく。だからこそ共感できる。
それにしても怪優マ・ドンソクの存在感が凄い。見た目ロバート秋山を彷彿とさせるが、漂う凄みは上回る。特に物語が大きく転ぶ中盤、コソクの過去がそこまでのコメディ調をひっくり返す。そして僅かなエピソードのインサートで主人公たちの関係性や感情を深いものにしていく。
なお主人公たちがジャージャー麺をあまりに美味しそうに食べるので空腹時の鑑賞に注意。夕飯前の身にはつらかった。コソクが美味そうな料理を作るのも見どころ。TWICEのフリも可笑しい。映画は他国の文化を知る場所でもある。
邦題「スタートアップ!」の通り、パソコンの起動、再起動を思わせる大団円。清々しさと共に単純なハッピーエンドでないのもこの作品の良いところ。嫌韓とひと言で括らず、まずはポスター通りにコソクのフライパンを一発喰らってもらいたい。
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