「メメント」(吹替版)を観る
今日はNetflixでクリストファー・ノーラン監督作、2000年公開の「メメント」を日本語吹替版で観た。昔、深夜テレビで観た記憶はあるが、後半だけだし意味不明に終わってネタバレになっていない。今回は「テネット」の後を受けて仕切り直しの鑑賞となった。
保険調査員のレナード。ポラ写真や体に入ったイレズミはメモ代わり。ある事件以降、彼の記憶は10分保たないのだ。きっかけは目の前で妻が強姦、殺された事件。やがてレナードの借りたモーテルに、事件のカギを握るテディが現れる。
倒叙的、徐々に物語の詳細が現れていく作り。原作は弟ジョナサン、監督脚本が兄クリストファー、難解ノーランズによるトリッキーな物語。頼りは事件以前の記憶、そして絶対的に信頼するメモ群。だがその裏側が明らかになるに従い、レナードの行動と事件の真相の間の齟齬が見えてくる。
近年スケールの大きいノーラン監督作だが、本作はミニシアター系のサスペンス。一方ノーランらしい作品内に生きるルールは健在。作品鑑賞中は脳内活動全開必至。「テネット」のような大袈裟なSFではないが、内宇宙というべき記憶というテーマが面白い。
ジョー・パントリアーノにキャリー=アン・モスと「マトリックス」のキャスト二人が登場。でも本作でキャリー演じるナタリーのほうが曲者。そしてガイ・ピアースによるレナードにも翻弄される。パズルの正しいピースが嵌められた時、今の自分の記憶にすら疑問を持ちざる得ない。
レナードの声はキーファー・サザーランドでお馴染みの小山力也。レナードに合った感情を抑えた演技に好感。作品の規模に関わらず、吹替は声のプロでなくちゃね。
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