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2020/08/30

WOWOWで「i-新聞記者ドキュメント-」を観る

WOWOWで録ってあった「i-新聞記者ドキュメント-」を観た。映画「新聞記者」の原作者である東京新聞の望月衣塑子記者に迫ったドキュメンタリー。彼女を追っていくうちに映画「新聞記者」とリンクしていくのに気づく。映画「新聞記者」とセットで観ると面白い。

沖縄辺野古、大阪、福島、そして東京と取材場所での望月記者に密着。見どころは記者会見での菅官房長官と望月記者との攻防。これまでテレビを通して見てきたものも、記者目線で観ると印象は違う。取材現場での事実、齟齬を突いていく望月記者。対して官房長官は一語で退ける悪役。菅氏の目線と言葉の冷たさが印象に残る。

限られた時間、25秒おきに邪魔する報道室長の司会も不快だし、質問は2問までなんていう暗黙のルール(望月対策)まである始末。本作の森監督は自分の目で官房長官会見を映像に収めたいと活動するが、そのハードルの高さに打ちのめされる。本作は森監督自身のドキュメンタリーでもある。取材のストレスは終盤突然挿入されるアニメーションに昇華されたよう。

そのハードルこそ平成24年に示された記者会見ルールに遡る。平成24年は総理大臣に復帰した第二次安倍内閣発足と時期が重なる。そうここまでのマスコミ規制は総理周辺が作ったものなのだ。徹底したマスコミ対策。海外マスコミが見た違和感、国内マスコミの偏向等、次々に問題提起されていく。

ピリピリしたムードをいい意味で壊してくれたのが、取材先での籠池夫妻。特に奥さんが可笑しい。監督を含めた撮影スタッフに菓子を配る姿が微笑ましく、最後に旦那さんに一句詠ませる。彼らを含め、安倍総理周辺に翻弄された人々にも触れる。法廷を出た直後、伊藤
詩織さんの涙が印象的だった。

一昨日、安倍総理が辞任を発表し、この作品を見る目を変わった。菅氏も出馬に色気が出ているよう。でも約8年この政権を裏支えしてきたのは菅官房長官。「野望の階段」でいうフランシス・アーカート、フランシス・アンダーウッドなのだ。いよいよ俺の出番?参院選を追う映像もあるが、安倍政権下の選挙運動は異常。6度の大勝、自民の成功体験は今後の不安を予感させる。

一方、本作の望月記者に戻ると、取材先でのバイタリティ、歯に衣着せぬ話術が目立つ。人を惹きつける力。野党関係者が黙っていないだろうが、望月さんにはマスコミ、記者として頑張って欲しい。ジャーナリスト出身の国会議員って印象あまり良くないから。

200830

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