英BBC製作ドラマシリーズ「野望の階段」を観る
アマゾンプライムビデオで英BBC製作のドラマシリーズ「野望の階段」(字幕版)を観た。Netflix「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の原作ドラマ。イギリスを舞台に、保守党院内幹事フランシス・アーカートが悪に手を染めながら首相まで上り詰めていく姿を描く。
「House of card」「To play the king」「The final cut」の3シーズン三部作。1シーズン各4話とシンプルながら、当たり前ながらNetflix版のプロットが垣間見え興味深い。女性記者マティとの関係、利用される同じ保守党ロジャーの顛末、支える側近スタンパーの存在とそれらエピソードを範とした事が窺える。
ただその一方で違いも多い。重厚なNetflix版の真逆な英国行進曲風の明るいオープニング。舞台も然り、このオリジナル版の持つユーモアはイギリス譲り。物語中で視聴者に訴える第四の壁も多用し、時に物語を進行させる。英国紳士らしい佇まい、イアン・リチャードソンの表と裏を使い分ける表情が可笑しい。それにしても本作のフランシスは65歳?ながらモテる。
政治批判、王室批判とも思える描写も多く、その辺がイギリスの懐の深さか。放映当時(1993年)生前のサッチャーの国葬を劇中でやってしまう凄さ(2013年没)。日本で同じ事はできまい。
特に第二部「To play the king」はNetflix版に無いエピソード。国王との軋轢、第2のヒロイン、サラ・ハーディング登場。プロットは違えど、何となく彼女の運命が見えてしまうのはこの物語の怖いところ。そしてフランシスの腹黒さが際立つ。その座のためなら...と悪に手を染める姿が、何処かの国の首相に見えて仕方がないが。
閑話休題。それにも増して存在感を放つのがフランシスの妻、エリザベス。Netflix版の妻クレアのような前に出るタイプでは無い。物語の要所で絡み、終幕を演出。きっとこれがNetflix版幻のシーズン6のプロットでは?と思う。そこがあっさり削られたシーズン6、観るのを今も悩んでいる。
本作の原作、脚本家がNetflix版の製作総指揮に名を連ねている通り、まさにオリジン。フランシスの性根はここにある。Netflix版を観てから本作を観たためにキャラクターへの洞察が深まった。そんな意味でもこの「野望の階段」は観る価値がある。
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