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2020/07/26

漫画版「AKIRA」を読む

漫画版「AKIRA」全6巻を読んだ。単行本を買ったのは1993年ごろか。もちろん公開当時、連載は終わっていなかった。たぶんLDを買った後かな、全6巻大人買いした。一度、通読していると思うが、何気に結末を覚えていない。そこで一連のAKIRAイヤーに合わせ、もう一度読む事にした。

通読してわかる事だが、映画版が如何にシンプルに作られていたかという事。ただテーマは不変。アキラとは何か、得体の知れない力、そしてその先。124分に詰め込むにはスピード感を持ちつつも人物描写は限られる。映画版はプロットを絞り、金田、鉄雄、ケイらにフォーカスする物語であった。

だが漫画版は違う。主役は変わらずとも、チョイ役に近かったミヤコ、ジョーカーを含む群像劇。特にミヤコはナンバーズとの接点が深く、教団を率いて鉄雄と対決。そのスケール感は鉄雄2度目の覚醒後にアメリカを巻き込んだ戦いに及んでいく。

映画版は大画面と音響、圧倒的スピード感に没入。漫画版の良さはひとコマに膨大な情報量、それでいて生き生き動く、スピード感ある画にある。大友克洋の描く超能力、未来図と崩壊の世界。アニメ版声優陣でセリフを脳内補完。A4サイズに多ページだが読む手が進んだ。

映画版との最大の違いはアキラの存在だが、映画未見、漫画未読の方のためここで多くは触れず。

映画版は何より「考えるより感じろ」の作品だった。その点で漫画版も同様。ただ鉄雄を中心とする勢力、ミヤコらが物語に絡む事で覚醒とその後の世界のディテールが増した。ただ原作通りに映像化したら3時間では終わらない。だから映画版の再構成は当然なのである。

東京オリンピック開催と中止(?)、鉄雄の覚醒並に世が混乱する今、「よげんの書」として「AKIRA」を読むのもいいかもしれない。ところでネオマンハッタンの件、どうなったのだろう?

200726

 

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