「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」を観る
今日は「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」を観てきた。競馬ファンならビッグレッドファーム?と勘違いしそうなタイトル。原題は「THE BIGGEST LITTLE FARM」で最大で小さな農場...といったところ。舞台はアプリコット・レーン・ファームという農場である。
料理家のモリーは全ての食材を作り得る農場を夢見ていた。映像カメラマンの夫ジョンもその夢に興味。そんな中、殺処分されそうになった犬テッドの身元を引き受ける。だがアパートで犬を飼うには鳴き声等、環境は厳しい。ジョンはテッドのため、モリーの夢のため、夫婦二人で農場作りに乗り出した。
荒れ果てた農地に緑が芽生え始め、動物に樹木、生態系の相互関係の下に大成していく。記録として撮り始めた映像の力。一年一年、困難に立ち向かい、解決の糸口が見えた時、次なる経験となる。観察こそ大事。コヨーテら天敵でさえ、相互関係では重要だと知らされる。
豚のマギーのエピソードなど時に牧歌的、微笑ましいシーンも多い。挿入される動物、生物、虫たちの映像は監督でもあるジョンの面目躍如。
この作品の欠点があるとすればネガティブな面、毒となる存在が無い事。難敵、カリフォルニアを襲う嵐でさえ、自然の一部。自然と共存する事は一筋縄ではいかない。だがそう思わせないようどんなに悪い出来事も純粋に映る。
人を雇い、土地を改良し、樹木や動物を飼うのに資金の調達だってあるだろうし、ビジネス的な側面はほぼ描かれない。邦題の副題は「理想の暮らしのつくり方」とあるが、それ故やや弱い。この映画でさえ、牧場のプロモーションに思える。ただ穿った見方しかできない自分の考え過ぎかもしれない。
それでも本作はドキュメンタリーとしてこの農場のあり方を訴えるには十分だし面白かった。思わず土弄りがしたくなった。
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