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2020/04/11

「機動警察パトレイバー the Movie」を観る

今日はおうちタイム。朝から「機動警察パトレイバー the Movie」を観た。1989年公開。この作品は劇場でこそ観ていないが、DVDで何度も観た作品。劇場版第2作が公開された当時、WOWOWでアーリーデイズが放送され以後、見事にハマった次第。

劇場版は第2作を至高とする方も多いが、個人的にはこの第1作が好き。何しろコミカルとシリアスのバランスがいい。セリフの応酬に緩急の付け方、もちろんロボットアニメたる王道部分も巧い。タイラント2000を止めにかかる98の過程はその最たるシーン。その冒頭、パトカー警官と太田のやり取りに思わずニヤけてしまう。

OSにコンピュータウイルス、都市開発と東京の変貌。30年経った今でもその先見性、視点の鋭さに驚かされる。「AKIRA」に負けず劣らず、当時の東京の下町の描写が素晴らしい。松井刑事が情報を足で稼ぐエピソード、そこに重なる曲がいいんだ。

もちろんパトレイバー、影の主役は後藤隊長に異論無し。

「切れ過ぎたんだよ」松井刑事が部下に後藤さんの経歴を話すシーンが好き。ビジュアル、演出共に押井守色が強いパトレイバーではあるが、実に台詞の数々は脚本の伊藤和典色に満ち溢れている気がするのです。キャラにあったセリフ、後藤さんの「この借りはいずれ、精神的に」というセリフはプライベートでも使っています。

ちなみに本作は警察を組織ものとして初めて本格的に描いているが、それをオマージュして生まれたのが「踊る大捜査線」なのは有名な話。

そして第1作の魅力は音楽。アバンタイトル、方舟を飛び降りる帆場のアップ、試作レイバーの暴走、停止。タイトルが現れるまでが素晴らしい。映像、カットに合わせた音楽は時にサスペンスフル。緩急の付け方は映像、セリフ、音楽が三位一体となって盛り上げる。そんな音楽の川井憲次、前述の押井守、伊藤和典3氏がのちに「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」を手がける事になる。

セリフの応酬という点で古川登志夫、冨永みーな、千葉繁、大林隆介、榊原良子らベテラン勢が脂の乗ったやり取りを魅せる。今もセリフを聴いて惚れ惚れ、本当に感心させされる。一発目の新鮮さからか、のちのサウンドリニューアル版のセリフ再録はいただけなかったんだよなぁ。

オープニングからエンディングまで無駄なシーンは
一切無し。ラスト、崩れゆく方舟に98と零式の対決を残すあたりは名演出。そして台風一過、朝日が差して大団円、エンディングテーマが重なると心は高まる。これがあるから第一作が好きなんだ。

200411

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