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2020/03/21

「タッカー 4Kレストア版 [Blu-ray]」を観る

コロナ対策で久しぶりのソフト購入。「タッカー 4Kレストア版 [Blu-ray]」を買って観た。巨匠のタッグ、ジョージ・ルーカス製作総指揮、フランシス・フォード・コッポラ監督作品。第二次大戦後、夢の自動車作りに挑戦したプレストン・タッカーの人生を描く。

第二次大戦中、銃座製造で資金を得たタッカー。次は子供の頃からの夢、タッカー車構想を打ち出す。更なる資金調達、工場の確保、試作車製作と進めていくタッカーたちだったが、やがて自動車業界の大きな壁に阻まれる。

初見はレンタルビデオだったか。その後LD、輸入盤DVD(当時国内版未発売だったため)と購入した程に好きな作品。このたびゾートロープ謹製のレストアを受けブルーレイが発売された。巨匠のタッグ作ながらあまり注目されないゆえ、地上波やBS放送であまりお目にかかれない。でも好きな作品は欲しくなるのが人情。

ビッグ3に対抗する、経営者タッカーは必ずしも褒められたものではない。だがこの映画はそんな事を言いたいのでは無い。タッカーの先見性とその芽を摘もうとする構図、そこに疑問を投げ掛ける。しかもタッカーの先見性は今、我々が享受している安全性では無いか。当時のシートベルト不要の理由に絶句する。

ただコッポラはその重苦しい構図を40年代の軽快なテイストで描いていく。時代性や世界観を大事にするコッポラマジック。そこに「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」の姿はない。それでいて画作りのこだわりが随所に見られる。広角を活かしたショットも効果的だ。さすがアート、職人監督だと思う。特典映像でのコッポラ、ルーカスのインタビューはまさにその理由を裏付けていた。

ジェフ・ブリッジスは実在のタッカー氏に比べ細身だが、華のあって周りを惹きつける様を好演。名バイプレイヤーのジョアン・アレンはタッカーの妻を、若きクリスチャン・スレーターも息子役で出演。そして経営部分を支えるエイブ役、マーティン・ランドーの存在感が光る。

なおこのブルーレイ、画質は破綻なく30年前の映画に思えない。うちのブラビアKDL-42W802Aで観る限り、最新作には劣るものの大善戦。特に車の光沢、輝きが堪らない。この映画の主役はタッカー氏、タッカー車のダブルキャスト。きっとスクリーンサイズの大画面でも破綻はないだろう。

そして何よりこのサントラも持っているが、サックス奏者ジョー・ジャクソンによる音楽が心地いい。これまでのソフト化以上に音質が際立っている様にも思える。日本語吹替は95年の日本テレビ版。一部放送時カット部分が字幕対応で音はモノラルと質はかなり落ちる。当然、字幕版での鑑賞を薦める。
200321

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