「第92回アカデミー賞授賞式」を観る
WOWOWで録ってあった「第92回アカデミー賞授賞式」を観た。昨年から司会が不在となり、あのグダグダ感が好きだった身としては寂しい。ただプレゼンターとしてスティーブ・マーティンやウィル・フェレルが登場、彼らの笑いがスパイス。彼ら以外にもユーモアあるスピーチも良い。そして今年はご存知の通り、最も世相を反映したようなアカデミー賞だった。
ネットフリックス勢の台頭も昨年に及ばず、むしろ目立ったのは外国語映画賞改め国際長編映画賞を受賞した「パラサイト」だ。その勢いは外国語映画初の作品賞をもたらした。
パルムドールだけではなく、時代が後押ししたのは言う前でもない。ポン・ジュノが監督賞受賞のスピーチの中でタランティーノに感謝していたが、彼を始め字幕を苦にしないアメリカの映画ファンは少なくない。ましてアカデミー会員となれば優れた作品を推したくなる。
製作会社の力関係か、作品賞ノミネートが9作と多いのは如何と思うが、それぞれ世相を反映した「ジョーカー」が主演男優賞、「パラサイト」が作品賞、監督賞、脚本賞等4冠を獲得したのは興味深い。
前述に加えポン・ジュノのスピーチはスコセッシを称え、ハリウッドを意識した点が印象に残る。まさにアジア映画史上初の快挙を実現。スピーチ通り、本当に呑み明かしたのだろうなぁ。片や日本のメジャーどころは女子高生相手の恋愛映画ばかり作ってる。クールジャパンが聞いて呆れてしまう。
さて授賞式としての見どころは色々あった。例えばシガニー・ウイーバーを挟んでガル・ガドット、ブリー・ラーソンらがプレゼンターで登場したところ。新旧アクションヒロインであり、ワンダーウーマンとキャプテンマーベルにリプリーと豪華なスリーショット。若い二人にシガニーも負けず劣らず。
パフォーマンスならエルトン・ジョンにやっぱエミネム。唄ったのは「ルーズ・ユアセルフ」。口ずさむセレブたち。直後のスタンディングオベーションがその人気を物語る。エルトンは貫禄のステージで直後、歌曲賞を受賞していた。
アナ雪2「イントゥ・ジ・アンノウン」で松たか子が参加したのはニュースの通り。でも結局はイディナ・メンゼルの盛り立て役にしか感じなかった。ただ世界的に影響のある楽曲、作品である事は確か。
式を進めるために暗転、スピーチを止める箇所が何度も見られたが、セレブ共々見ている側も興醒め。作品賞受賞の後も再び暗転、ポン・ジュノさえ一言も話させない。4度目の「朝まで呑み明かすぞ」を聞きたかった。
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