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2020/01/11

「パラサイト 半地下の家族」を観る

今日は盟友N氏とポン・ジュノ監督「パラサイト 半地下の家族」を観てきた。昨年のカンヌ映画祭最高賞パルムドールを受賞した作品である。

キテクら4人家族は無職で内職をしつつ生計を立てていた。ある日息子のパクは、友人からある富裕層の娘の家庭教師を頼まれる。そこでキテクらはパクを名を偽らせ大学生に仕立て、その家族に取り入る事を思いつく。計画は次々と巧く運んで行くのだが、ある事実に出くわす。

ポン・ジュノ監督作品は「グエムル-漢江の怪物-」以来観るのだが、似た雰囲気を持つ。前半はコメディ風に事が進むも、後半は力強いストーリーテリングに思わず食い入る。不測の事態発生にスクリーンのキテクら同様、その展開が見逃せなくなる。

実際、韓国では”半地下”とは貧困層の生活環境にあるものらしい(ネット番組での監督インタビューにて)。本作、窓から見上げる風景は独特で、大衆層の生活を切り取っていた。だがその対比として社長宅のシーンが興味深い。そうした見た目だけでなく、社長らの語る匂いがキテクの心を突き動かす。

この作品の面白さはあらゆる対比にある。富裕層と貧困層、見た目の対比、匂いの対比、そして計画と無計画の比。計画と無計画は、先に述べた前半と後半にあたる。後半のムテクは無計画で衝動的だ。そして周りの人々を巻き込んでいく。

キテク一家だけでなく、社長一家他、それぞれに個性的で韓国映画らしい濃さ。だがその中でもソン・ガンホは別格。ポン・ジュノ監督の信頼感、本作の持つ笑いとシリアスさを表情だけでなく体現する。

ちょっとした小ネタも興味深く、かつ面白い。WiFiネタとか、時計回りとか。見せてるようで見せない、想像力を掻き立てるエロいシーンもいい。

エンディングに至る流れは観客に委ねる部分も大きい。現実とファンタジーの狭間。どう感じるか、政府同士では揉めている韓国であるが、物語の背景、その社会事情を知る意味でも面白い映画だと思う。そこに国境はない。

200111

 

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