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2020/01/01

「男はつらいよ お帰り 寅さん」を観る

あけましておめでとうございます。

今日は映画の日。そこで今年の映画一本目として「男はつらいよ お帰り 寅さん」を観てきた。「お正月は寅さん!」と聞かれなくて久しいが、今回"寅さんアンソロジー"といった趣向で帰ってきた。

さくらの息子、満男は六年前に妻を亡くし、今は娘と二人暮らし。サラリーマンを辞め、作家として芽が出てきていた。嫌々ながら著書のサイン会を催す満男だったが、思わぬ人と再会する事になる。

観ていて何とも言えぬ心地良さ。寅さんはホームドラマであり、ロードムービー。本作はそれらエッセンスを散りばめつつ、寅さんとの思い出を振り返っていく。冒頭、満男の降りた柴又駅に、寅さんのシーンがインサートされると堪らない。そう、スクリーンに寅さんが帰ってきたのだ。

シリーズを通した満男の恋の顛末を描きつつ、彼にとっての寅さんが残像のように現れる。しかもセリフの中に寅さんが生きている。マドンナへの感謝、ラストシーンはこれしかないという演出。本作は満男と寅さんの「ニューシネマパラダイス」なのだろう。原作者でもある山田洋次監督にとっての区切りと感じた。

久々、とらやの家族感もいい。おいちゃんやおばちゃんはもう居ないが、さくらと博がその立場を受け継ぐ。満男の娘にタコ社長の愛娘、その息子といい、彼らにとって帰る場所。時代を経て失ったものはあれど、寅さん映画の描く温かい人間関係は捨て難い。

一方、泉の
彼女の立場、周辺は今を映す。寅さん映画でありつつ、それも現実なのだと山田監督は言いたいのかもしれない。夏木マリと橋爪功の好演が光る。もちろん後藤久美子の復帰も良かった。

正月早々、笑って泣いて寅さんを満喫。いや、本当に良かった。エンドロール、渥美さんの歌を聴いてまた泣けた。昔は寅さん大会とか観に行ったもの。やっぱ日本人なら、正月は寅さんを観るべきだなぁ。

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