2019年総決算「映画篇」
今年劇場で観た映画は30本。今の自分の想いが重なったトップ10プラス2、そしてワーストは次の通り。
2.「ホテル・ムンバイ」
3.「ひとよ」
4.「グリーンブック」
5.「ジョーカー」
6.「スパイダーマン:スパイダーバース」
7.「エンド・オブ・ステイツ」
8.「ハンターキラー 潜航せよ」
9.「アベンジャーズ/エンドゲーム」
10.「ファースト・マン」
11.「108~海馬五郎の復讐と冒険~」
12.「ダンスウィズミー」
ワースト「X-MEN:ダーク・フェニックス」
1.「運び屋」
ご存知クリント・イーストウッド主演・監督作。主人公の功罪はさておき、観る者を鼓舞するか如く、老いに抗えと諭す。物語と表情にイーストウッドの味わい。実話ベースに重ねた想い、何という人間ドラマだろう。イーストウッド作品生涯五指の一本。
2.「ホテル・ムンバイ」
2008年インド、ムンバイで起きたテロ事件。高級ホテルタージマハルのスタッフ、宿泊客、そしてテロリストらの運命を描いた。この映画は冷静だ。彼らの運命に忖度無し、それこそが現実。だからこそ伝わるものがある。ただ今は前に進むしかない。
3.「ひとよ」
家族のために夫殺しで投獄された妻、残された家族。小さかった彼らが成長し、出獄した母と再会。彼らの背負ってきたものとは、母への想いと彼ら家族の再生。沸き起こるのは単純な感情ではないが、「ホテル・ムンバイ」同様、今は前に進むしかない。
4.「グリーンブック」
黒人解放以前のアメリカ、黒人音楽家と白人用心棒によるロードムービー。車に呉越同舟するも芽生える友情。溢れるユーモア。人種を超え、優れたものを認める気持ち。アカデミー賞作品賞、多民族国家米国の歴史を描く一編。
5.「ジョーカー」
DC最強ヴィランにして初の単独作。現代の社会情勢を背景にジョーカー誕生を描く。ホアキン・フェニックス心身共に渾身の演技。観ているうちに観客の心を鷲掴みする主人公アーサー、彼は我々の映った鏡かもしれない。
6.「スパイダーマン:スパイダーバース」
アカデミー賞アニメ部門受賞作。映像は画期的、革新的、アメコミ感も持ち込んだ快作。パラレルワールドのスパイダーマンが集結。主人公マイルスの成長に彼らとの友情が描かれる。物語とビジュアル、ユーモアのバランスもいい。日本語吹替版も良し。
7.「エンド・オブ・ステイツ」
8.「ハンターキラー 潜航せよ」
目下マイブームのジェラルド・バトラー主演作2品。アクションスターでは無いからこそ伝わる存在感はダイハード的。その点「エンド・オブ・ステイツ」はまさにポストダイハード。一方「ハンターキラー 潜航せよ」は冷静沈着な艦長を演じ、映画ファンにウケてクチコミヒット。ジェリー、これからも中年の星で居て下さい。
9.「アベンジャーズ/エンドゲーム」
MCU集大成、インフィニティウォー完結作で転結パート。オフビートな前半、後半はキャップの「アベンジャーズ、アッセンブル!」で総力戦。卒業ヒーローにキャスト事情が見え隠れするが、仕方なし。なお鑑賞にできればMCU全作、特に「アントマン&ワスプ」必須です。
10.「ファースト・マン」
「セッション」のディミアン・チャゼル最新作。アームストロング船長によるアポロ11号月面着陸成功までの道程を描く。ドキュメンタリー調で物語が平坦という声も聞こえるが、何とも言えないリアリティに溢れる。特に月面は彼らしく劇場体験あってこそ。
11.「108~海馬五郎の復讐と冒険~」
12.「ダンスウィズミー」
両作とも世間の評判は高くないが、個人的に悪くなかったからのプラス2。「海馬五郎」は中年だからこそ伝わる想いにストレートな描写がツボ。着信音の小ネタ等もツボ。「ダンスウィズミー」は矢口史靖監督ミュージカル映画への挑戦。オープニングの宝田明登場で東宝ファンを鷲掴み、三吉彩花とやしろ優の友情が隠し味のロードムービー。
これ以外、話題になったシリーズ物、アクション物、MCUにDCと観てきたけれど、平均点以上であってそれで良かったし、ある意味物足らなかったし。上に入れなかったけど「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」や「バイス」「ブラック・クランズマン」も好きだよ。ただもっと、もっと楽しめるだけの知識不足は否めないから。
ワースト「X-MEN:ダーク・フェニックス」
約20年に渡るX-MENサーガの最終作としてはあまりに役不足。本当は「X-MEN2」の後に来るはずだったエピソード。ブライアン・シンガーによるちゃぶ台返し後の伏線回収、これには相当の脳内補完が必要。ディズニーによる20世記FOX買収の果ての切り捨て、リブートとアベンジャーズ参戦だけのための本作としたら何とも悲しい。
後は録画で観た白石和彌監督作「凶悪」「止められるか、俺たちを」は印象に残ったなぁ。ただ今年公開で未見の「麻雀放浪記2020」だけは今も一抹の不安があるのだけれども。
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