「スペースコブラ」を観る
先日、アニマックスで放送された「スペースコブラ」全31話が終わった。左腕にサイコガンを持つ男、海賊コブラの活躍を描く。
ちなみに1982年のテレビ放送前、同年夏にあの「メガフォース」の同時上映として劇場版アニメが公開された。当時コブラの声をあてたのが主題歌でタイアップした松崎しげる。しかしこのテレビシリーズでは野沢那智があてている。大人の余裕にユーモア溢れるセリフ回し、我々世代のコブラは間違いなく野沢氏だ。
週刊少年ジャンプの連載時期は我が購読時期と一部ダブるが、当時中坊の自分はあんまり覚えていない。ビジュアル重視で画が大人だから。それに最初から読んでいた訳じゃないし。だからまずコブラというと前述のアニメとなる。
監督出﨑統、作画杉野昭夫コンビによるコブラは何とも力強く肉感的。しかも躍動感に溢れる。決めはお馴染みの止め画。彼らの演出こそコブラやジェーン、キャサリン、ドミニク3姉妹のビジュアルにマッチする。
第1話はあの有名SF「模造記憶」原作映画をオマージュしたかのような物語。第24話「ロボットはいかが?」は某超人映画第1作のエピソードを思い出した。コブラの物語のピースに沢山の映画が隠されているかもしれない。映画ファンとしてそれが楽しい。
そして本作最大の魅力。顔は3枚目(または2.5枚目)だが、美女にモテて、何しろ完全無欠な存在であるコブラだからこそ。ジェームズ・ボンドに相通じるヒーロー像。そして先に挙げたユーモア。レディが榊原良子というのもツボ。放映当時、木曜7時という時間帯だったが、主題歌、音楽と相まって大人の雰囲気が漂っていた。
主題歌「コブラ」は「ルパン三世」の大野雄二作曲による。今聴いても至高、カッコいい。この主題歌が聴きたくてサントラを買ったほど。一方、音楽は羽田健太郎が担当。本作のハネケンサウンドは当時手掛けていた「西部警察」を感じさせる。(追伸.今Amazonで見たら「スペースコブラ・コンプリート・サウンドトラック」があるらしい。こりゃ買わなきゃ)
タイトルに「スペース…」と付けたのは子供向け時間帯への配慮だろう。だがその一方、31話と中途半端な話数で終わった事は打ち切りを匂わせる。サラマンダーのエピソードは結構駆け足に感じた。内容が大人向け過ぎたのかもしれない。
なお25年後に同じキャスティングでOVA化され、当時WOWOWで観ている。やっぱコブラはOVA向きかも。これもアニマックスで放送してくれないかなぁ。
さて数年前ハリウッド実写化が発表されたコブラだが、暗礁に乗り上げたままのよう。動員できるキャスティングはまだしも、アメコミほどのネームバリューが無いために資金が集まらないという。アレクサンドル・アジャ監督のコンセプトビジュアルが素晴らしいだけに観てみたい気はするのだが。
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