「ホテル・ムンバイ」を観る
今日は仕事帰りに「ホテル・ムンバイ」を観てきた。ムンバイで実際に起きたテロ事件を描く。
2008年インド、ムンバイ。ある目的を持って集結した少年たち。間もなく巨大駅を発端に銃撃事件、同時多発テロが起こった。やがて彼らは外国人の集まるレストラン、ホテルに及ぼうとしていた。そして少年たちはムンバイの高級ホテル、タージマハルに集結する。
イントロダクションを除き、ほぼ約120分の上映時間、とてつもない緊張感に包まれた。映画は世界を知る鏡でもある。特に本作はテロの真っ只中を内側から見せていく。残酷な描写も多く、R15+はやむを得ない。
ホテルの人々、テロリスト共、自分たちの正義の下で立ち位置は異なる。それこそ世界の持つ不条理であり、争いの根源である。そこに解決策などない。この作品はエンタメ性を削ぎ落とし、起こった出来事を丹念に積み上げていく。
銃弾に倒れる者、その果て生き残る者、その出来事を裏で操る者。僅かなセリフ、エピソードが彼らの背景を語る。宿泊客を守ったホテル従業員を英雄礼讃するでもなく、一方の少年たちの動機に現実を突きつけられる。冒頭から貧富を感じる映像も印象的。
希望より現実。悲し過ぎる結末、どんな現実があっても生きていく事、前に進むしかない。とにかくそんな気持ちにさせる作品だ。
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