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2019/10/27

国枝栄著「覚悟の競馬論」(kindle版)を読む

秋競馬開幕に国枝栄著「覚悟の競馬論」(kindle版)を読んだ。国枝栄さんは現役最強の誉高いアーモンドアイ(今日の天皇賞・秋に出走)の調教師。彼女だけでなく、同じ三冠牝馬アパパネ、中山巧者マツリダゴッホ、天皇賞馬マイネルキッツ他、手掛けた馬は枚挙いとまが無い。そんなトップトレーナーの一人が敢えてその危機感を露わにした著書。

東西格差と言われて約30年。ファンにとって栗東トレセン発の坂路が思い浮かぶ。東西トレセンの開業に7年差があった事は知らなかった。それだけでなく立地差で生じる輸送問題。滞在となる札幌、函館を除けば、栗東断然有利。国枝師(<=競馬的な表現!)がリスクの高い小倉出走を切り捨てる理由がここにある。

一場減る事による関東のきゅう舎の出走プランの少なさ。出走馬を出せなければ成績は上がらず、(有力オーナー、ブリーダーから)有力馬が集まらなくなる悪循環に陥る。中央競馬はJRA統括の下、調教師は公正、適正平等な競争こそがあるべき姿。しかし現実は東西格差、関東馬の不利は明らか。

さらに除外馬問題を挙げている。使いたいレースを使えない。フルゲートを超えた場合の出走は抽選による。”抽選”とある意味、公平に見えるものの競馬サークルからの視点ではそう言い難い。力のある馬が出走できない事例は少なく無い。少ない選択肢で戦う中の除外は先述の東西格差に繋がっていく。

国枝師はドラスティックなものも含めていくつかの提言をしているが、競馬サークルを含めたJRAの覚悟が必要と説く。だからこその著書タイトル。競馬文化を競馬ファンの目線で述べている。そして人口減少に売り上げ問題は競馬界の課題。だがこれって日本社会が抱える課題でもある。政治家、国民に覚悟はあるか。10年後、20年後に競馬が楽しめる社会であって欲しいのだが。

191027

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