「いぬやしき」を観る
WOWOWで録っておいた「いぬやしき」を観た。ノリさんこと木梨憲武主演、実写版「GANTZ」シリーズの佐藤信介監督作品。
サラリーマンの犬屋敷は家族、会社で穿つのあがらない日々。しかも健康診断で末期癌の宣告を受けてしまう。だがある夜の公園、眩い光を浴びて朝を迎えると、それを境に犬屋敷の体は大きな異変が起きた。同じく犬屋敷と共に光を浴びた高校生、獅子神の体にも同じ変化が訪れる。
奥浩哉原作のマンガは未読だが、アニメシリーズの方は観ている。アニメではかなりハードな描写、エピソードもあったが、映画では割愛。親子愛を中心にした物語で結末も異なる。また中盤の大虐殺シーンは獅子神の心境を表すものとして残ってはいるが、描写が緩い。ただそれでも大人数のエキストラを使ったモブシーンは実写らしい迫力がある。
犬屋敷を演じるノリさんはやっぱりノリさん。見た目なら温水さんかアニメ版の小日向さんかなぁと思うが、ミスキャストまでとは思わない。物語は総じてオヤジ世代VS若者だけに陥って、獅子神からヒロイックな部分が削がれたような気がする。ただ佐藤健のヒール感は役に合っている。
となると見どころはビジュアルでマンガ同様のギミックを再現。都心を駆け巡る描写も悪くない。原作独特の世界観、映画だけでこの作品を語るなら割に面白いと思うかもしれない。特にSNSへの反面教師的なエピソードは辛辣。例え相手に殺されなくとも素性くらいは既に覗かれている、なんてね。そんなリアル獅子神が現れない事を祈る。
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