WOWOWで「マザー!」を観る
WOWOWで録ってあったジェニファー・ローレンス主演、ダーレン・アロノフスキー監督作品「マザー!」を観た。お気に入りのジェニファー主演とあって観る動機は十分。ただ日本劇場公開が直前で中止となったいわく付きの作品ゆえ、内容は一筋縄でいかない。
田舎の一軒家に住む詩人とその若妻。夫は創作に、妻は家の修繕に勤しむ。だがある日、詩人を訪ねる男が現れた。妻は止むを得ず招き入れるも、男は騒動を引き起こす。そんな招かれざる客を発端に、彼女の周りで様々な出来事が起きていく。
ダーレン・アロノフスキーの作品群を顧みれば、本作がクセの強いものだろうと推測できる。何処か不条理と思える展開も作品を通した伏線であり、終幕に繋がっていく。とりあえずその終幕が観たくて、最後まで観てしまうといった感じ。
正直、この作品を劇場公開しなかった日本の配給会社の判断は理解できる。観終わった今、映画ファンならまだしも、一般の観客にこのオチを理解できるとは思えない。物語の謎解き描写も敢えて浅く、オチがオチと思えないだろう。
撮影中、ジェニファー・ローレンスが心理的に追い込まれたという噂話があるが、納得。とにかく観客の心理とすればジェニファーの視点で物語を追うため、かなりこの物語の展開は堪える。"汝の隣人を愛せよ”こそ詩人創作の源泉ゆえなのだが、全てを奪われていく様が辛い。
この作品をもう二度と観る事はないだろう。ただ録画を消すか消さないかと言われれば、ジェニファーだから残しておこうか。
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