「ボヘミアン・ラプソディ」を観る
今夜は「ボヘミアン・ラプソディ」を観てきた。イギリスのロックバンド「クイーン」、そしてそのメインボーカル、フレディ・マーキュリーの人生を描く。テレビドラマ「ミスター・ロボット」のラミ・マレック主演、「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガー監督作品。
1970年ロンドン。ブライアン、ロジャーのバンドの演奏を見るフレディ。偶然ボーカルが脱退した彼らにフレディはその声を聴かせた。惹かれるようにバンド活動を始めた3人はフレディの発案でアルバム制作に取り掛かった。そしてメジャーレーベルEMIと契約、ロックバンド「クイーン」としてスターダムを駆け上がっていく。
言わずと知れたフレディ、クイーンの物語。80年代の洋楽で育った身として、描かれる音楽シーンが自分の音楽史とオーバーラップする。クライマックスまで扱う楽曲のエピソードは数曲に絞って印象的。一方ソロ楽曲は亀裂を生むキッカケとしてあっさり。ストーリーラインはクイーンとフレディの音楽活動と人生を辿る。
もちろん性的マイノリティーであるフレディのエピソードは、最初は暗示的に、やがて具体的に描かれる。ただ単に作品のテーマは彼らの軌跡だけでなく、彼らの求めた”家族”を描く事だろう。フレディは一旦失った家族=クイーン、盟友たちとの関係を修復するところで物語は結ばれる。その想い、そしてフレディの背負う運命は、クイーンとしてライブ・エイドでのパフォーマンスに結実していく。
最初は違和感のあったラミ・マレックのフレディも、80年代での彼は本物と見間違うほど。ウェンブリースタジアムでの4曲、20分のパフォーマンスは当時を彷彿とさせる。作品の構成上、ここでの楽曲を温存させてきたからこそ、観客は引き出される感情もある。ブライアン・シンガーの描く音楽と物語のバランスは浅過ぎず、深過ぎずに絶妙。名曲の数々に聴き惚れ、長時間を忘れる作品であった。
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