「search/サーチ」を観る
今夜は「search/サーチ」を観てきた。ロバート・レッドフォード主宰サンダンス映画祭で観客賞を受賞。物語はパソコン画面のみで展開されるサスペンス。リブート版「スター・トレック」のスールーことジョン・チョー主演。SNS時代、我々がどれほど依存しているか思い知らされる一編。
デビッドは2年前に妻パムと死別、娘のマーゴットと暮らしていた。ある日、マーゴットと口喧嘩してしまう。翌朝、帰宅しない娘から深夜の不在着信に気づくデビッド。友人関係を探るも行方は知れず、警察に相談する。そして八方塞がりの中、デビッドはマーゴットのノートパソコンに手を伸ばした。
この映画は「ハードコア」を観た時に近い新感覚。かつてパソコン画面導入は断片的なら「ユー・ガット・メール」で観た事がある手法だが、終始徹する点で新しい。カメラ撮影でいうカットの繋がりは緻密に計算され、流れるように進んでいく。
この作品のテーマは人と人のコミュニケーション。今や手法は様々となったが、見た目程に密になったとは言い難い。家族の心でさえ、解っているようで解っていない。だからこそデビッドは時に翻弄されミスリードもする。これは我々への警鐘でもあるだろう。最後、力となるのは家族への思い。デビッドの執念は事件の真相に近づいていく。
Mac、iPhone、FaceTimeにiMessageとApple(が大半)だけでなく、GoogleにYoutube、Facebookと見慣れた画面がシームレスに彩り、一方でWindowsはXPのみと隔世の感を受ける。これらツール、デビッドの使いこなしぶりも見所だ。ガジェット好きも楽しめるだろう。
サスペンスとしてもなかなかの出来。二転三転する物語の出口とは?一見テレビサイズ向きと思いきや、スクリーン向きと気づく。例えば作中、所々に伏線が散りばめられているのだが、如何に情報を見逃しているかと後に思い知らされるのだ。オススメの佳作!
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