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2018/10/28

「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」を観る

今日は「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス」を観てきた。「ブエナビスタ」といっても競走馬ではない。前作の公開が2000年。ミュージシャン、プロデューサーでもあるライ・クーダーがキューバのミュージシャンを集め、アルバムを制作し全世界でヒット。そして彼の盟友でもあるヴィム・ヴェンダース監督がドキュメンタリー映画を撮り、こちらもミニシアター系でヒットした事が思い出される。

本作は当時触れられていなかったメンバーの半生、前作ドキュメンタリーの更なるバックステージ、2016年アメリカ-キューバ国交正常化へと進んでいく現在の彼らの姿を追う。副題の「アディオス」はさよならを意味するが、推して知るべし。グループ結成当時でメンバーのほとんどが70~80代、コンパイ・セグンドに至っては90才とある種の別れを感じてしまう。

ただ陽気なキューバ音楽。歌詞は奴隷時代、貧困を暗喩するものばかりだが、前述のコンパイにイブライム・フェレール、女性ボーカルのオマーラ・ポルトゥオンドと明るく、美しく歌い上げる。2000年当時、何度もアルバムを聴き、前作ももちろん観ている。今回、本作で久しぶりに彼らの音楽を触れたが、不変で熱く、感慨深く、そして美しい。

しかもその不変さはその後に至っても変わらず。音楽を演じる、歌う事の楽しみこそが彼らの持ち味。靴磨きから召集を受けたイブライムのエピソードが可笑しくも悲しい。前作制作時の未公開映像、ギターチューニングで気を吐くコンパイに頭を抱えるライ・クーダー。もちろん前作でのイブライム、オマーラが見つめ合うデュエットと、年齢を経て開花した彼らの魅力を伝える。

監督交代、ヴィム・ヴェンダースは製作総指揮に回っているが、本作が音楽の旅である点も変わらない。終幕前やや凡長に、政治色が出てしまったのはホワイトハウス絡みのエピソードがあったせい。ただ彼ら曰くそこで音楽を演奏するだけ。むしろ正常化前、グラミーを授賞式で直接受けられなかったイブライムらと隔世の感がある。前作以上にキューバ音楽の魅力とその歴史を知る上で欠かせない一編。帰りの車中、再度彼らのアルバムを聴いたのだった。

181028

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