「レッド・スパロー」を観る
今夜はジェニファー・ローレンス主演の「レッド・スパロー」を観て来た。「ハンガー・ゲーム」シリーズのフランシス・ローレンスがメガホンをとるこの作品。鑑賞前、作品の出来に大きな不安を抱きつつも、ジェニファーのセクシー描写が観たくて馳せ参じた次第。
ロシア国立バレー団のバレリーナであるドミニカは舞台中、脚に大怪我されられてしまう。退団を余儀なくされた彼女。叔父であるエゴロフは彼女の母を養う代償として、第4学校と呼ばれるスパイ養成所へスカウトする。頭角を現わすドミニカに命ぜられたのは、アメリカとの内通者の名を探る事。そのため彼女はCIA捜査官ナッシュに接近するのだった。
本作に対する不安は何のその。まさにスパイ小説の王道を往くような作品だった。ロケーションもロシア、オーストリア、ハンガリー、ロンドンとこちらも王道。派手さよりクールさが溢れる映像に加え、目を覆う程の残酷描写もあり。そして第4学校における教育の下、ドミニカは自らの能力を活かしていく。
ジェニファーと共に前半を引っ張るのがシャーロット・ランプリング。第4学校でのエピソードは大きな見どころだ。冷酷さ溢れる理論はターゲットに対する心理操作術に納得も、実は(大半が男性である)観客こそ操作されている事に気づかされる。ドミニカ=ジェニファー・ローレンスの魅力と体当たりの演技に、作品はワンランク上がった印象。
確かに彼女は図抜けた美女では無いが、本当にスクリーンで映える。特にナチュラルメイクでの表情に魅了された。これまでジェニファーを撮ってきた、監督の面目躍如である。
また胡散臭さ満点のジェレミー・アイアンズ、プーチン似のエゴロフ叔父さん(マティアス・スーナールツ)とこちらも確信犯的なキャスティング。
女を武器にする事が前時代的とか、最近のスパイはもっとハイテクでは?とか思うところもあるが、やはりこの作品の良さはとにかくオーソドックスな事。ラストにおける仕掛けは何と無く読めてしまったが、本作はあまり深読みせずに観ているほうがより楽しめるだろう。
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