「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」を観る
今夜はスティーヴン・スピルバーグ最新作「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」を観てきた。メリル・ストリープ、トム・ハンクス共演の史実ドラマ。ベトナム戦争下のアメリカで、国防総省の機密文書を巡る新聞社と政府の抗争、報道の自由を描く。
「15時17分、パリ行き」に続く劇場鑑賞で、こちらも史実物。前半から眠気が来たのは、6連勤のためか、映画のせいかは不明。ただ前半は新聞社サイドの描写が淡々としていたのは事実。大きく動くのは中盤。ベンを中心に記事を作り上げる記者サイド、発行判断を迫られる社主キャサリンと物語は進んでいく。
手堅い演技陣に囲まれているが、やはりストリープとハンクスに目がいく。彼らはカメレオンというより、役を自分に引き寄せるタイプ。そして緩急見事に我々を惹きつける。だからこそここぞというセリフが響いてくる。
二人以外ではブルース・グリーンウッドが見事。かつて「13デイズ」でケネディを演じたが、彼の演技も70年代という時代性を含め、よく似合っている。そして今回の演技、存在感と力強かった。
スピルバーグは「ブリッジ・オブ・スパイ」同様、物語で魅せようとオーソドックスな演出。彼らしからぬ長めに回したショット等も披露する。問題は物語に惹かれるか否か。まず機密文書が如何に記事となっていくかという点に、史実以上にスリリングな点は無い。むしろあっさりしている。
時代を背景にした彼らの決断と戦いこそが本作のテーマ。どの国にも似た戦いはある。我が国でも文書改ざんが取り沙汰されているが、ここまでドラマチックに物語が成立するだろうか。最高権力のための忖度って、随分と情けない話じゃないか。さて「モリトモ・ペーパーズ」の結末は如何に。
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