「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」を観る
シリーズ最新作「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」を観てきた。オリジナル版シリーズ、リ・イマジネーション版、そして知る人ぞ知るテレビシリーズと親しんできた「猿の惑星」。いよいよマット・リーヴス監督・脚本によるリブート版がクライマックスを迎える。
人類との戦いから機を待ち、身を隠すシーザー達。だが大佐率いる軍隊に隠れ家を急襲され、多くの仲間を失う。仲間と別れ、怒りを露わに復讐を誓うシーザー。大佐たちのアジトを目指す中、民家に人影を見つけるのだった。
リブート版の特徴である高潔さがより色濃く、一方で盟友コバに手を掛けた負い目に苛まれるシーザー。そして危険が家族に及び、自分の姿がコバと変わりない事に悩む。そこに最強の敵である大佐、彼が知る事実に大きな決断を迫られる。
冒頭に大きな出来事があるが、その後前半は淡々と進む。物語のダイナニズムとしては前作が勝るが、終盤に結びとしての盛り上がりが待っている。三つ巴の決戦の後、シーザー達の末路はオリジナル版「最後の猿の惑星」を彷彿させるものがある。またシリーズのファンとしてはオリジナル版へのリスペクトが散見され嬉しい。
アンディ・サーキス演じるシーザーはモーション・キャプチャーながら、ハリウッド最上級のVFXで表現される。このリブート版の強み、猿達の存在感、画面での融合は本作最大の魅力。それだけ物語に没入できる。またウディ・ハレルソン演じる大佐も一見冷徹、だが単なる悪役に収まらない役割を担う。
「猿の惑星」の魅力は猿同士(または人類)のコミュニケーション。そこに生まれる対立は我々の抱える問題を暗喩するものであり、指導者の理想像がシーザーなのである。ちなみに8日後に控える衆院選。「自ら倒れても志捨てず」という指導者は今の世の中...居ないでしょうけどね。そんな輩にシーザーの爪の垢を煎じて飲ませたい。
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