「ベイビー・ドライバー」を観る
今夜は盟友N氏と「ベイビー・ドライバー」を観てきた。「ホット・ファズ」のエドガー・ライト監督による、カーアクション青春逃走劇と日本語で書くと固いが、まるで「平成のパルプ・フィクション」。まずは何よりノリが身上の物語だ。
白昼の銀行強盗。通称”ベイビー”は彼らを助ける凄腕ドライバー。ドクにより強奪チームは招聘されるが、ベイビー以外は常に適材適所の人材が選ばれていた。そんなベイビーはウエイトレスのデボラと出会う。
冒頭、赤のスバルWRXによるカーアクションが鮮烈。曲の刻むビートに合わせ編集された画面が心地いい。台詞回しや銃弾さえビートを刻む。ベイビーは歴代iPodを使い、シーンに合わせ音楽を使いこなす。いや、この映画全体で常にベイビーや登場人物たちの心情をその選曲が表している。そしてiPod classicにクリックホイール操作と一挙手一投足、何処かドライブ感を誘う。
少ない登場人物も整理され、人間関係や人となりが伝わる。ベイビーの里親とのシーン、エピソードは音が身上の作品らしい。そんな中でもジェイミー・フォックス演じるバッツの存在が怖い。やがてチームの計画に狂いが生じ、ベイビーの運命を変えていく。
ただベイビーとデボラの行く末の描き方が惜しまれる。やや蛇足。ベイビーの人となりはそこまでの伏線で十分。もっと甘酸っぱく、バッサリ切ってしまっても良かったと思う。とはいえ、最上級のカーアクションが楽しめだけでなく、若者が主役らしい疾走感と音楽が心地いい作品だった。サントラを買ってみようかなぁ。
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