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2017/10/27

「ブレードランナー 2049」を観る(ネタバレ無し)

前作から30年後を描く続編「ブレードランナー 2049」を観てきた。前作監督のリドリー・スコットが制作総指揮、「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。主演のライアン・ゴスリングに加え、前作の主人公デッカード、ハリソン・フォードも登場。レプリカントを巡る陰謀と謎に迫る。

2049年、捜査官Kはかつて反乱を起こした旧型ネクサスを追っていた。容疑の掛かるサッパーに接触したKは処分(逮捕)するも、サッパーの口にした言葉が気になっていた。調査を進めるKは現場に植えられた木に”ある"ものを見つけるのだった。

サイバーパンク、ディストピア、ビジュアルとその先見性から名作SFの誉れ高い前作。本作はテーマと方向性を押し進めつつ、新たな視点で作られた続編だ。冒頭の30分は今風、やや洗練され過ぎかと思ったが、2時間40分の上映時間ずっとスクリーンに見入っていた。

前作からの世界観はシームレス。建物、スピナー、街中とミニチュアを使った前作に沿い、加えてヴァンゲリスの音楽を踏襲したハンス・ジマーらによるスコアに違和感はない。あくまで30年後の世界。ネオンにある明らかなタイアップ群は巨額の大作ゆえに目を瞑ろう。

物語は主人公Kが自らの問いに答えるべく、謎を追う姿が描かれる。その問いこそ前作のテーマ、技術が進む中で人間と機械の境界、原作タイトルのエッセンスに溢れている。前作から飛躍した設定も年を経たデッカード登場の必然ともなる。ドゥニ・ヴィルヌーヴは前作の韻を踏みつつ、こうしたテーマの数々を巧みに紡いでいく。

だから前作を観てからでないとほぼテーマも内容は伝わらない。前作、レイチェルに惹かれたデッカード、ロイの死に様に共鳴した人なら、今回の登場人物たちにも感情移入できるだろう。それも前作を何度も観て、熟成されてきた想いゆえなのである。本作でその想いはより深く掘り下げられていく。そして終わってみてもう一度観てみたい思わせる。

あと個人的に完全男目線、本作に登場する女優陣に目を奪われた。特にKのパートナー、ジョイが見た目共々良いです。Kとの関係がまさに"今"を映している気がしてならない。またディストピアに徹した前作と比べ、本作は少しだけ温かさも垣間見える。その一つが雪景色だ。ライアン・ゴスリングの表情共々、情緒的で佇むKが美しかった。

追伸.
今回も様々な謎が提供されるが、全て回収される訳ではない。またエドワード・ジェームズ・オルモスがかなり体格が良くなっていたのは驚いた(苦笑)

171027

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