「スパイダーマン:ホームカミング」を観る
今日はMCU最新作「スパイダーマン:ホームカミング」を観てきた。かつてソニーグループの屋台骨を支えた「スパイダーマン」もアベンジャーズ仕様にリブート。「アイアンマン」ことトニー・スタークのサポートを受け、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」から繋がる物語となっている。
トニー・スタークからリクルートを受けたピーターは研修扱い、街の治安を守る立場にいた。そんな中、ATM強盗に遭遇したスパイダーマンだったが、強盗の持つ強力な武器に打ちのめされる。だがその武器こそトゥームスが8年前のNY決戦の残骸から産んだものだった。ピーターは友人のネッドと共にトゥームスの武器密売に迫っていく。
サム・ライミ版「スパイダーマン」(あくまで1と2に限る)が大人の鑑賞にも耐えうる、ヒーロー映画の傑作と言っていい出来だった。しかし本作はそう言い難い。
「シビル・ウォー」から繋がっているせいか、ありがちなヒーロー誕生エピソードはバッサリカット。そもそもソニーとして二度目のリブートだし割り切っている。それなりの脳内補完が必要だろう。
物語に感じるのは子供っぽさ。エピソードの積み上げもピーターに対し感情移入し難く、ヒーローとしての成長を感じさせない。そもそもキャストの若返りにその意を強める。MCU、チーム・アベンジャーズの中で位置付けとして、子供向けに敷居を下げたのかもしれないが、大いなる力には大いなる責任が伴う...それが「スパイダーマン」の持ち味だっただけに残念。
またピーターの成長を見守るべきトニー・スタークも、ガジェットを与えただけで物語上あまり機能していなかった。トニー自体、ドライなヒーローであるが、本作ではそうした新局面を現すには至らない。
悪役を元バットマン(DCコミック)で主演作「バードマン」がオスカーを獲ったマイケル・キートンに演じさせたのは何処か意味ありげ。だがこれまでの「スパイダーマン」が悪役にも感情移入を誘うのに対し、本作では描写が浅くマイケルの起用も活きていない。
子供向けの割に133分の上映時間は酷。大人でも退屈でやや睡魔に襲われた程。大いなる期待はせず、ノリで観るのが正解なのかも。
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