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2017/07/30

「スペース1999」を観る

スカパーのスーパードラマTVで放送された「スペース1999」を観た。本作は「サンダーバード」でおなじみITC製作のSF実写テレビシリーズ。製作年は1975年と1976年、それぞれシーズン1と2で計48話となる。この2ヶ月毎朝、出勤前に1話ずつ見るのが習慣づいた。

物語は1999年。核爆発により、月が地球の軌道を外れてしまう。そんな月と共に宇宙を彷徨う月面基地ムーンベースアルファの冒険が描かれていく。

主演はマーティン・ランドー。本作だけではなく「スパイ大作戦」のレギュラー出演していた俳優さん。晩年はティム・バートン作品にも出演し、「エド・ウッド」でオスカー助演男優賞を受賞した。本作ではムーンベースアルファのコーニッグ指揮官を演じている。先日、亡くなられたのは残念。

シーズン1は重厚なスペースオペラというべき内容。彩るのはバリー・グレイのスコアだ。特にシーズン1のオープニングテーマが素晴らしくカッコいい。荘厳だが、スピーディーな画面編集と相まってとにかく聴かせる。

これに限らず、シーズン1の良さは大人向けSFドラマ。もちろん製作年当時のチープさはあるが、ITC特有のデザイン、美術設計には唸らされる。特撮はリアリティがあるし、ご存知小型宇宙船イーグルのデザインは現代にも通用するしカッコいい。ムーンベースアルファの司令室といい、移動ポッド、使用されるフォントと時代を超えてセンスが高い。

シーズン1でコーニッグ指揮官を支えるのが、バリー・モース演じるバーグマン教授だ。ラッセル博士と共に本作のインテリジェンスの一端を担う。彼の説得力、存在感があったからこそ、ちょっとしたチープさも気にならなくなる。時に感じさせるユーモアもいい。シーズン1最終話、シーズン2はどのように展開するか期待で胸は高鳴った。

だがシーズン2、物語は大きく変質する。

重厚さは影を潜め、一言で言えばチャラい物語となった。まずキャストにバーグマン教授の姿はない。まるで始めから居なかったかのような扱い。コーニッグ指揮官の恋人でもあるラッセル博士が彼の立場を担うが、技術論よりもコーニッグとのメロドラマ志向へと変わっていく。オープニングテーマ、スコアもバリー・グレイから交替して全く別物になってしまった。

またアクション部分のリーダー格だったカーターは引き続き登場も、突然シーズン2から現れたトニー・ベルデッシにその座を奪われる。そしてサイコン人マヤの登場。「スタートレック」を意識したであろう唯一の異星人の役割。変身能力を持ち、ある意味1話完結の物語を強引にまとめる能力をも持つ。ただ見ていて慣れない序盤、彼女の登場は物語の変質と相まって、違和感しか無かった。

司令室は小ぢんまりとなり、300人いるといわれるムーンベースアルファだが、そんな風に思えなくなった。シーズン1のキャストはほぼ居なくなっただけでなく、群像劇の欠片も見当たらない。コスチュームもチープになり、とにかくコストダウンが気になる。だから物語のチープさが気になるという悪循環。結局、シーズン2、物語の最終話はけじめある終わり方にならなかった。

まとめ。期待が大きかった分、シーズン2は蛇足に思う。観るならシーズン1のみ。毎回オープニングテーマを見るだけでも大きな満足を得られるだろう。

170730

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