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2017/06/16

「わたしは、ダニエル・ブレイク」を観る

今日は仕事帰りに「わたしは、ダニエル・ブレイク」を観てきた。007:ジェームズ・ボンド=ダニエル・クレイグではないおじさんが主人公。社会派ケン・ローチ監督による昨年のカンヌ映画祭、パルムドールを受賞した作品である。

心臓に病を持ち仕事に就く事が出来ないダニエル。国へ援助を求めるも、システム化された手続きの前に為す術も無かった。そんな中、同じく援助を求めるシングルマザーのケイティーと出会う。意気投合した彼らは交流を深めていくが、その一方で生活は行き詰まるばかりだった。そして二人に起こる出来事とは...

英国版「グラン・トリノ」と言うべき、頑固親父の戦う姿。ただイーストウッドのような格好良さでなく、笑いとユーモアで魅せる。子供達とのコミュニケーションが木工というのも、大工で身を立てたダニエルらしい。

そんな彼もシステムの前では情報弱者であり、パソコンの操作もおぼつかない。役人の対応はシステマティックで先のダニエルの姿と対照的。ただ中には彼への理解者も現れるが、システム=上司に飲み込まれている。何とも言えない歯がゆさにダニエルの叫びが心に響く。国民のためと国の生むシステムは何とも偽善である。

社会構造の生むジレンマに怒りを覚えつつ、我が国に置き換えてみてもその憤りは変わらないだろう。支える大半の国民は格差ばかりで恩恵を受ける事は少ない。権力を盾に忖度と詭弁を放つ宰相がいる限り。

閑話休題。そうした権力の上の人間は映画の中に現れないが、本作はそうした彼らへ(を)訴えている事に等しい。微笑ましい日常のエピソードの一方で追い詰められていくダニエル。そしてエンディングに訪れる出来事。その余韻に考えさせられる一編であった。

170617

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