「メッセージ」を観る
今日は前から気になっていた「メッセージ」を観た。最近、母船デザインの元ネタが"ばかうけ”で有名となった作品でもある(監督を巻き込み作られた嘘ネタ)。今年秋公開の「ブレードランナー」続編を監督するドゥニ・ヴィルヌーヴが手掛けた初SF作。観終わるとその体を表す原作タイトル名ではストレート過ぎ、原題は意味深過ぎ、邦題がその中間でオーソドックスな印象。
ある日、全世界の都市に12隻の巨大な宇宙船が降り立った。コンタクトを試みる人類。米国はモンタナに飛来した宇宙船に対し、言語学者のルイーズ、数学者のイアンを向かわせる。そして彼らの前に現れたのは2頭の未知生物だった。
本作は観る人を選ぶ。ひと捻りあるSF好きならマッチすると思う。ただ「インデペンデンス・デイ」のような大味なSF好きには向かない。
前半1時間は人類の困惑と共に淡々と物語が進んでいく。これまで「未知との遭遇」に始まって「コンタクト」「アビス」「インターステラー」等、宇宙や未知生物との関わりを描いたものがあるが、本作はその中でもエンターテイメント性が極力排除された感がある。異文化との接触を未知生物、国際間という二つの側面から描いているのも面白い。
ただその一方で、パーソナルな部分への切り込みは本作が最も強いかもしれない。またそれがクライマックスでのキモとなっている。その展開が如何にもSF的で、挿入されるルイーズのエピソードの数々が、パズルのピースがピタッとハマるが如く納得させられる。ただあくまでSF的な発想であり、それについて来れるかもカギだろう。人によっては「???」って事もありうる。
個人的には本作を観て良かった。ルイーズの運命に我が人生の見方を考えさせられ、SFの奥深さを感じさせる作品である。
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