「パッセンジャー」を観る
今日は映画の日という事で「ハードコア」に続いて2本目、レイトショーでジェニファー・ローレンス、クリス・プラット共演の「パッセンジャー」を観てきた。
未来、過剰な人口に移住地を目指す宇宙船アヴァロン。5000人の乗客たちは120年後の到着の途上にあった。だが30年後、アヴァロンは小惑星衝突をきっかけに異常を来たす。しかもその影響で技術者ジムの冬眠ポッドが開いてしまう。孤独を余儀無くされるジム。一年後、彼は大きな決断を下すのだった。
二人の主演から判るように、その後の展開は推して知るべし。そもそも原題は複数を示す「PASSENGERS」である。若いカップルには甘ーいSFアドベンチャーかもしれない。だがジムとオーロラの心中を察すると、そこに至る苦悩は映画「エイリアン」の恐怖よりも奥深い。実はSFの皮を被った二人劇。何処か哲学的でオーロラに対するジムの葛藤は、家庭を持つ男女にとって人生を映したかのよう。そんな中、彼らを諭すようなセリフも心に響く。
この作品の描くSF、世界観、美術が素晴らしい。ダークなSFでなく、何処と無く明るさを感じるところがいい。その最たるがCMにも登場するバーテンダーの存在。彼の醸すユーモアが序盤、ジムの心を支えている。それだけでなく船内、設備、食事とデザインが洗練されている。
そこに現れるオーロラを演じるのがジェニファー・ローレンス。
女性にとってクリス・プラットも注目だろうが、それ以上に男子にとってジェニファーは堪らない。間違いなくジム同様に間違いを起こすだろう。彼女の演じる個性がオーロラをより輝かせている。その後の展開がオーロラをどのように変えていくか。そんな中での終劇、彼女のモノローグが感動的。観る前はビデオでもと思ったが、期待を大きく超える良質なSF作品だった。
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