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2017/03/25

「山田孝之のカンヌ映画祭」を観終える

昨夜録画しておいた「山田孝之のカンヌ映画祭」の最終回を観終えた。感想は内容に触れざる得ないので気になる方は飛ばして下さい。


オブジェの爆発と主演芦田愛菜の決断によって映画「穢の森(けがれのもり)」の製作中断を余儀なくされる。製作チームも解散し、目的を失った山田は故郷鹿児島を訪れた。母校、実家、そして父親と対面する。去来する想いにある決断をする山田だった。

前回、山田にクビを言い渡された山下監督がダッシュした瞬間、妙な雰囲気が立ち込めた。その後の出来事はギャグ的。フィクション、モキュメンタリーたる落とし方と言えるだろう。今考えれば「穢の森」自体、本当に作りたかったものか。カンヌという目標に肩肘を張り、河瀬直美監督との出会いで触発されたものの、少なからず自分を見失った感はあった。

そんな彼は故郷で自己回帰し、やりたいものが作りたかったものと再起。山田の父は結構な自由人であり、好きに生きてきた人と語られる。そうした父との会話で奮起する山田。結局は今回の「カンヌ映画祭」も前作「東京都北区赤羽」同様、山田孝之の自分探しの旅だったのだ。

さて山下監督、芦田愛菜を再招聘して作ったのが「映画 山田孝之3D」。しかも最終回のエンディングからもカンヌへ出品するようだ。めでたし、めでたし。

でもね、終わってから思うんですよ。前回までの異様なテンションが何だったのか。しかも結果撮りたいのが、何処か某宗教団体を思わせるポスターの3D映画。カンヌ自体、3D映画は既にギャスパー・ノエが出品しているし初ではない。ただゲーム好きとして知られる山田が撮りたいのが、3D映画だったというオチは好意的に見れば分からなくもない。

山田のカンヌへの志と映画作りが一致していたかは解らない。ただシリーズ中、河瀬監督の説く「作りたい映画が偶然カンヌに選ばれた」ことからそこに至ったのだろう。山田にとって「穢の森」は振り上げた拳だったのかと。

「東京都北区赤羽」「カンヌ映画祭」を通し、人間山田孝之の面白さに惹かれた。「映画 山田孝之3D」はその三部作のトリを受け持つ山田ワールドの集大成なのかもしれない。

17032501

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