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2017/03/11

映画「野火」上映会 塚本晋也監督 登壇! トーク&サイン会へ行く

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今日は盟友N氏を誘い、富士市交流プラザで行われた映画「野火」上映会 塚本晋也監督 登壇! トーク&サイン会へ行ってきた。偶然、2ヶ月前の告知をTwitterで見てチケットを購入している。

主催はFuji映画館復活プロジェクト。そう、今富士市には映画館が一軒も無い。かつて駅前のデパート、富士パピーがあった頃、最上階が映画館だった(と思う)。沼津市で上映されない映画を遠征して観たものだ。メジャー作品ながらやはり沼津で上映されなかった「マトリックス・リローデッド」やシャマランの「サイン」はこちらで観た。いずれも評価が微妙な作品ではあったが、N氏とそんな事を思い出しながらロビーで談笑して開場を待った。

上映される映画「野火」は1959年、市川崑監督による映画化もされた作品。ただし今回はリメイクでなく、塚本監督が学生時代に読んだ原作に感銘を受け、その時から温めていた企画で2015年に映画化した。戦争世代の激減と風化、社会風潮に危惧し、強く内面に迫った市川版と異なり、本作は監督が原作に触発された、映画を通した戦場の追体験を目指しているという。

会場は200インチ強と思われるリアプロジェクション、音響はPAでの上映。画質はややプア、音響が勝った感じだが、自主上映のためにやむを得ないところ。フロントの音響だけでかなりの臨場感を出すのはホールの特性が活かされていたと思う。作品に込められた戦場のカオスを痛感できた。

第二次大戦末期、フィリピンに派兵された田村は残された部隊に居た。肺炎を患い、分隊と野戦病院を行き来するも居場所を失う田村。やがて部隊は襲撃を受け路頭に迷い、飢餓、孤独と焦燥が襲う。戦場の極限状態は心身共に田村を始めとする兵隊たちを追い込んで行くのだった。

とにかく凄まじい作品。色彩に圧倒されるも、それこそいつも(今も)変わらないもの、戦場との落差を物語る。そして同時に原作者大岡昇平が体験したであろう、モラル無き戦場の異常さが描かれていく。

なかでも見所は夜襲を受ける場面。このシーン、とても低予算とは思えない出来。ここでの衝撃は「プライベート・ライアン」のオープニングに双璧、画面から伝わる兵士たちの心痛は「硫黄島からの手紙」に並ぶ。人が形を変える瞬間、この追体験こそ塚本監督が意図するものだろう。

トークショーで明かされるが、フィリピンが舞台ながらも自主制作、低予算のために本場はスタッフ6人(実質4人)での撮影、あとは沖縄と群馬に近い埼玉の山奥という映画という魔術による一体感。自主制作映画出身の塚本監督らしい手腕が光る。冒頭でユーモアに感じるカットも、実は少人数撮影の名残と知る。

監督が実感したという戦争経験者の激減。映画化以前、取材したフィリピン出兵者が映画完成を待たずに逝かれている事からも判る。彼らとのエピソードや真摯に答える塚本監督の姿に感激した。トークショー後にパンフレットへサインをもらい、映画共々良い時間を過ごさせてもらいました。本作は監督自身の思いだけでなく、戦後世代である我々へのメッセージに溢れた映画でした。

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