「ジェイソン・ボーン」を観る
今夜は盟友N氏と「ジェイソン・ボーン」を観てきた。「ボーン」シリーズ9年ぶりにして最新作。ただ一度完結した三部作の後、本作でのボーンの動因とは。CMのコピーでは新章と挙げているが、新三部作となるような作りになっていないので注意。たぶん色々な事情で一作限りの再登板という事なのだろう。
自らの記憶を取り戻し、トレッド・ストーン、ブラック・ブライアーとCIAの陰謀を暴いてから数年。ボーンは自らの存在を隠し、世界に潜んでいた。一方、かつての同僚ニッキーはCIAを離れ、ボーンの所在を捜すと共に、彼に隠されたもう一つの秘密に辿り着こうとしていた。そしてニッキーはボーンの居るアテネに現れる。
「ボーン」シリーズらしく手持ちカメラを多用し、動きの速いアクションシーンを演出。ただこれまでの三部作のように、作品のたびに進化する事を本作では感じなかった。息を呑むようなシーンも無く、とにかくアクションの連続に終始。ド派手な最後のカーアクションも然り。お金は掛かっているが、見せ場として「アルティメイタム」のクライマックスにあったカタルシスには及ばない。
物語も三部作で伏線も含めて出尽くした感がある。記憶を取り戻したボーンに欠けたエピソードとなれば、本作でやれる事は限られる。ただスノーデン事件を反映させたCIAの陰謀を絡め、ギリシャでのスト等、世界情勢を反映させ、物語はスピーディーに展開。その点で観客を最後まで飽きさせないのはこのシリーズらしい。それにしてもこのシリーズは女性キャラの扱いが実に冷たい。
本作で好きなのは三部作に共通するラストシーン。観客の裏をかくような展開を用意し、そしてMobyの「Extream Way」が流れてトドメを刺す。このシリーズの好きなところだ。007と違うこの毒っ気が「ボーン」シリーズの魅力かと思う。
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