「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years」を観る
今夜は一人で「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years」を観てきた。オスカー監督でもあるロン・ハワードがビートルズの資料映像と共に、最も多忙だったライブ活動の時期に迫ったドキュメンタリー。映画タイトルとなる「EIGHT DAYS A WEEK」はまさに言い得た彼らの楽曲タイトルでもある。
本作は62年のライブ活動から世界へ乗り出す彼らの姿からスタート。盟友でもあるブライアン・エプスタインとの出会いから洗練されたミュージシャン、アイドルとして席巻。フィルムから伝わる想像を超えた熱気、熱狂ぶりは、60年代を共に過ごした方には堪らないだろう。ビートルズのドキュメンタリーというと解散を巡る内容が多いが、本作はライブを楽しむ初期の彼らが中心であり、その切り口は新しい。
特にライブパフォーマンスでのレノン=マッカートニーに惹かれる。一つのマイクを二人でハモる姿(ジョージとポールの場合も然り、同じ右利きならそうはいかない)は、まるでポールのギターが左利きである必然性を感じる。ただ冒頭から4人の運命共同体ぶりがあるからこそ、ラストパフォーマンスとなるアップルレコードの屋上で爽快な表情の反面、何処となく物悲しく見えてしまう。
個人的にはジョージの台頭するビートルズ後期が好きなので、彼のフィーチャーが少ないのは残念。ただ生前、回顧するインタビューや彼のパフォーマンスが見れた事は嬉しい。またアビーロードスタジオでのレコーディング映像や秘話が見られ、とても興味深かった。それにしても名プロデューサー、ジョージ・マーティンの前職には驚かされる。
本作では世界中で行なったパフォーマンス、言動、オフショット、出来事と数々の証言から当時の影響力が語られていく。ちなみに日本での武道館ライブのエピソードは当時帯同した浅井慎平氏。熱気の裏で国内の混乱、自身のビートルズ観は当時の日本人の戸惑いでもあろう。ただ本作の主役はあくまでもビートルズのパフォーマンスであり、映画館の大画面に負けない。ファンなら必見、キャッチーな楽曲と共に彼らは永遠だ。
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