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2016/07/02

「日本で一番悪い奴ら」を観る

 今夜は綾野剛主演「日本で一番悪い奴ら」を観て来た。実話ベースの”フィクション”。フィルムノワール的でブラックコメディーにも映り、主人公諸星が悪の道を辿る「フォレスト・ガンプ」的な作りとなっている。昨今言われているコンプライアンス等、どこ吹く風。それだけに観る人を選ぶ作品かもしれない。

 道警の諸星は柔道部あがりで真一直線の男。だが先輩の村井との出会いが諸星を心底変えていく。悪の世界に飛び込み「Sを作れ」。間もなく金星を挙げた諸星は力をつけ、道警でのし上がっていく。力を制すための裏取引、手打ちも辞さない。力のバランスをとる事、それこそが正義。だが順調だった諸星の歯車は仲間の裏切りで崩れていく事になる。

 道警が舞台となっているが、それを見逃す警察庁。数、点数と力の論理が全て。導入部から徹底してその奥底にある権力への皮肉が込められている。この作品を観ると、警察官に違反切符を切られた時の不快感は間違いなく増幅するだろう。世の中全てが性悪説。だがそれが現実でもある。この作品を耐えられない人はそこから逃げているに過ぎない。

 演者も達者揃いだ。キャストは一人ひとり適材適所。まずは諸星を悪の道に引き込む瀧さんの存在感、眼力が凄い。行雄ちゃん(デニス)の印パのくだりは笑いが止まらなかった。YOUNG DAIS演じる舎弟の五郎もいい。人の良さがやがて仇となる悲しさ。もちろん中村獅童は貫禄の存在感は本物と見間違うほど。そして主演の綾野剛の憑依ぶりがいい。悪の権化であり、やがて可笑しさは悲しさと同居する。

 艶かしいお色気シーンが多く、女性の観客には厳しいかも。だが権力と金に女性はつきものという悲しさはいつの世も変わらない。この作品はそれが判る大人向けであり、R-15+は妥当なところ。ただ毒の判る人には堪らない作品だと思う。終わってみれば135分の上映時間も忘れて本作を楽しんだ。

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