« 趣味と、テレビと、今思うこと | トップページ | 「シン・ゴジラ」を観る(ネタバレ無し) »

2016/07/23

「シチズンフォー スノーデンの暴露」を観る

 今日、マックの前を通ると、かつての賑わいを戻していた。店の前で群がるように「Pokemon GO」に勤しむ人々。それだけでなく街中でも同じような人ばかりが目立った。幸い我がiPod touchでは使い物にならない事が判っている。GPS無ければ、ただの箱。例え"スマホが環境"でもまだ今はそれを望まない。

 閑話休題。今夜は「シチズンフォー スノーデンの暴露」を観てきた。国内配給会社が「スノーデンの暴露」と副題を付けてきたが、暴露だけではスノーデン氏の意思は掴めまい。あくまで個人の問題で無く、知らせるべきと判断したからだ。

 2013年初め、ローラ・ポイトラス監督に暗号化されたメールが届いた。そこにはNSA(アメリカ国家安全保障局)による情報収集に関する事実が記されていた。ローラは英国ガーディアン紙のグレン・グリーンウォルドらと送信主に接触を試みる。政治的管理下の及ばない香港、姿を現した男は驚愕の事実を話し始めた。

 本作はご存知スノーデン事件の顛末を追ったドキュメンタリーだが、同時に事件の当事者でもあるという作品。単に「9.11以降、アメリカ政府が国民の情報収集を行っている」というお話なんだろというなかれ。百聞は一見に如かず。報道による想像と作品の伝える出来事ではその衝撃が違う。例えばパスワードの桁数に関する件はもはや笑うしかない。

 都市伝説で無く、身近に潜む具体的な実例、政府同士の連携、駆け引き、そして彼ら政府の持つシステムの圧倒的な能力の前にひれ伏す。本作に我が国の姿は無いが、日本版NSCが立ち上がった今、のちの姿は想像に難く無い。システムが対テロ対策に限らない点、あらゆる通信、情報のメタデータ化等、政府のアンタッチャブルな側面の数々に、本作は民主主義の危機と警鐘を鳴らす。

 映画としてこの作品を観ると、惜しまれるのは情報量の多さに対する日本語字幕の限界だろう。読み追いつくのに苦労した場面が少なく無かった。ソフト化の際は是非ボイスオーバーの吹き替えを付けて欲しい。

 どんなにプライバシーに配慮してもシステム=政府は凌駕する。こんなブログでさえも利用される。エンディング、スノーデンとグレンのやり取りはささやかな抵抗かもしれない。それゆえにスマホ片手に情報を吐き出しながら「Pokemon GO」に夢中になる人々を見ると、何とも言えない気持ちになるのだ。

160723


|

« 趣味と、テレビと、今思うこと | トップページ | 「シン・ゴジラ」を観る(ネタバレ無し) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/58265/63957461

この記事へのトラックバック一覧です: 「シチズンフォー スノーデンの暴露」を観る:

« 趣味と、テレビと、今思うこと | トップページ | 「シン・ゴジラ」を観る(ネタバレ無し) »