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2016/04/30

殿下「Prince」逝く

 先週末、ヘッドホンを掛けてウォーキングに出掛ける。プレイリストは「トップ再生500」。体が温まってきたところで突然「1999」が再生された。先日急逝したプリンスの代表曲だ。トップ再生500の中でプリンスの曲がいくつあるか判らないが、総数8000曲近い中で再生された事、その偶然に驚いた。

 洋楽に触れ始めた中学時代、殿下(日本のファンはプリンスの事をこう呼ぶ)はアルバム「パープルレイン」で大ブレイクする。エッジを利かせたギターと流行り始めた打ち込み、そしてファンクサウンド。「When doves cry」(何故か邦題は「ビートに抱かれて」)を筆頭にタイトル曲「パープルレイン」まで洋楽チャートを席巻。レンタルレコードをテープにダビングし、FMエアチェックで洋楽集のテープにも殿下の曲が増えていった。

 一見気持ち悪い容貌だが、音楽共々惹かれるものがあった。東京ドームの来日ライブも2度観に行った。ちなみにそのうちの一つはテレビ朝日のゴールデンタイムで放送されている。何でもアリのバブル時代とはいえ、殿下の人気が知れよう。ライブのパンフには日本語をあしらったコスチュームを着る殿下に、学生寮の仲間は興味本位で見入っていた。だが生の殿下はそれだけの人ではない。

 圧巻のライブパフォーマンス。殿下は小さい人なのでめちゃ高いロンドンブーツを履いている。それなのにジェームズ・ブラウン並みに踊る、歌う、時に観客を挑発する。先の東京ドームライブ、代表曲「リトル・レッド・コルベット」だったろうか。ほぼ伴奏なし、サビの部分を無音で観客に歌わせようとした殿下。見事、目論見通り、大観客から歌を引き出した。直後、彼は日本語で「マイッタナ」と言っているように聞こえた。英語で何かを言ったのがそう聞こえたかもしれないが。

 殿下のアルバムで何が好きか。やっぱ「パレード」かなぁ。元々ノンストップ感溢れる楽曲が特徴の殿下だが、その上で美しい旋律を交える。ファーストシングルの「KISS」にはPV共々、意表を突かれた。この頃の殿下はほぼ毎年リリースしていた気がする。「サイン・オブ・ザ・タイムズ」「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」「ラブセクシー」「グラフィティ・ブリッジ」。

 その途中で手掛けたのが、映画「バットマン」向けの楽曲集。「バットダンス」はとても短期間で作ったとは思えない完成度、映画からの音の引用の絶妙さ、さらにTV版「バットマン」へのオマージュとなるコーラスが耳に残る。劇中ではダニー・エルフマンのスコアが勝っていたが、アルバムとして殿下らしさが溢れていた。

 殿下そのものの印象は、ザ・レボリューション時代、徹底したバンド編成の音楽と反し、何となく孤独さを感じていた。孤高の天才というべきなのか。時に性を赤裸々に表し楽曲を生々しく描く。その中に潜む殿下の何かが心に響いたんだろうなぁと思う。

 殿下の映画「サイン・オブ・ザ・タイムズ」が追悼上映が行われるとの事。都内に住んでいたら絶対に行ったのに。この作品、レーザーディスクで何度も観たが、見どころ、聴きどころ、オススメはPVにもなった「I Could Never Take The Place Of Your Man」だろう。とにかくこの曲の殿下は魅せる。またBSプレミアムで放送してくれないかなぁ。最後に殿下のご冥福をお祈り致します。

160430


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