フレッチャーの声は誰?!WOWOWの「セッション」[吹替版]で観る
今朝はWOWOWで録ってあった「セッション」[吹替版]を観た。公開当時、ジャズを扱いながらその愛情の無い描き方に某有名ミュージシャンを激怒させ、映画評論家とのバトルがあったのも記憶に新しい。劇場鑑賞済み、再見するこの作品に感動はない。しかし惹かれるのは何故だろう。それは音楽映画の形を借りた復讐劇(サスペンス)だからだ。
演奏のラスト、視線を合わせる二人を好意的に見る向きもあるが、そうは思わない。何度見ても和解は感じず。アンドリュー、フレッチャー共にバックステージで殴り合っても不思議はない。それを描かないからこそこの作品は大人だと思う。この作品に愛情、ことさら音楽愛は必要ない。強いて挙げれば親子愛だけは僅かにあるか。それすら無ければフレッチャー辞職にも至らなかったろうし。
なお今回の吹替版がなかなか良い。フレッチャー=J.K.シモンズのイメージを壊す事がない声。一聴、ボンド=若山弦蔵氏を彷彿される渋さとセクシーさ。諭しと罵声、感情のコントラストが見事に再現されている。音楽と相まって映像に織り込まれた演出、カット割りに没入できる。実際、劇場で見逃したと思われるカット(暗転後の欠けた液晶表示)に驚かされた。
そんな良作を放送してくれたWOWOWにひと言。放送直後に吹替キャストの紹介もして欲しい。大抵はパッケージソフトと同じだろうが、中には「ラッシュ/プライドと友情」のように劇場版での吹替素人からプロ声優へのスイッチもありうる。特に今回は吹替版も良作だったし、吹替好きとしてちゃんと知りたかった。
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