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2016/01/23

「ザ・ウォーク」(3D字幕版)を観る

 今夜は盟友N氏と「ザ・ウォーク」を3D字幕版で観てきた。監督ロバート・ゼメキス、音楽アラン・シルベストリの名コンビは我らが映画好きの原点となった「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」や傑作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でおなじみだ。今回ゼメキスが描くはあのワールド・トレード・センターのツインタワー間を綱渡りした男の実話である。

 フランス人フィリップ・プティは非合法な綱渡りで注目される中、ある構想を得る。それこそワールド・トレード・センター屋上の間を綱渡りする事だった。やがてフィリップは渡米。共犯者ならぬ仲間を集め、準備を進めた。そして1974年8月7日運命の日を迎える。フィリップは果たして綱渡りを成功する事ができるのか?

 3Dを売りにした作品が多い中、効果的に使ったものは意外に少ない。だが今回の「ザ・ウォーク」の3Dの使い方はとにかく巧い。3D映像ゆえの箱庭感は否めないが、それも最初だけ。物語に没頭し出すと高所、遠近感ある映像は恐怖を描き出す。ピンと張られたワイヤーの中心に立つフィリップ自身は別世界。だが観ているこちらとしては早く渡り終えて欲しい程の緊張に憑かれる。この興奮は「フォースの覚醒」の(多少大げさに)100倍凄い。都会の人なら間違いなく最強IMAX版推奨だろう。

 物語は単純なクーデター(非合法な綱渡り実行)だけでなく、フィリップの人となりから話は進む。やがて生まれる圧倒的な高さへの憧れ、建設途上のワールド・トレード・センターの壁に頭を付け、その恐ろしさを実感する姿にフィリップの人間性、感情移入が生まれる。闊達な様をジョゼフ・ゴードン=レヴィットがフランス語を交え、体当たりの演技を魅せる。また師匠でもあるパパ・ルディを演じるベン・キングズレーが、シーンは少ないものの存在感はさすがだった。

 今は無いワールド・トレード・センターだが、冒頭からこの映画の中だけでは象徴的に生きている。フィリップと共にこの映画のもう一人の主役なのだ。そして彼の挑戦こそ、大らかだが大胆な事が許される70年代への憧憬、オマージュでもある。そしてこれまで時代性ある寓話を作ってきたゼメキスらしいストーリーテリングが活きた作品、オススメだ。

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