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2015/12/05

「007 スペクター」を観る

 今夜は盟友N氏とシリーズ最新作「007 スペクター」を観てきた。ダニエル・クレイグによるボンド4作目。前作に引き続き監督はサム・メンデス、タイトルに「スペクター」を付けてきた通り、シリーズ王道回帰を狙う一作でもある。物語、舞台、ガジェットに過去のオマージュが織り込まれ、これまでボンドを観て来たファンに訴える作りにもなっている。

 メキシコ、ある命の下、男を狙うボンド。男はある組織に属している事を知る。彼の妻に近づいたボンドは組織の情報を得る。危機を脱しその組織の元幹部に接触するボンド。だが彼の口からは組織の巨大さ、対抗する無力感を伝えるものだった。組織の名は「スペクター」。世界の情報、経済を力と恐怖で支配する組織であった。

 前作「スカイフォール」はスパイという時代錯誤な職業に対し、信念という一本筋の通った作品で、時代と対峙しようとする心意気を感じた。そしていよいよ「スペクター」が登場。クレイグ・ボンド4作のリンク、そのラスボス的な位置付けのブロフェルド。王道路線に戻すのはいいが、本作の所々に綻びを感じる。007らしく大味でご都合主義なのは別にいい。何だろう、ボンドに魅力を感じないのだ。

 スペクターに近づく猪突猛進ぶりにボンドの動機が希薄。そこにある人の命令が控えるが、その人の扱いがあまりに軽いために弱い。前作を見れば、という事だろうが、本作のボンドは執着というより、物語に乗ってイベントをこなしているようにしか見えない。話が先に進むに従ってアクションも雑。クレイグの冷静な表情と情事、それすらイベントに感じてしまう。醒めてしまったのだ。それだけに走り去るラストカットは不要。

 対するスペクター、ブロフェルドがラスボスならば、これまでのボスクラスを超越して欲しいが、それもない。時に感じる呆気なさ。スペクターらしい怖さ、恐怖を与える演出が弱い。ブロフェルドに関する改変はボンドのパーソナルな部分に切れ込むが、これも弱い。そしてラストの扱い。次作への含みを持たせたのだろうか。

 前作同様、オープニングとエンディングに取って付けたようなボンドのテーマもどうだろう。アクションシーンでの盛り上がりに欠け、007らしいスコアの統一感も不足。バリー節の後継者デビッド・アーノルドは何を思う。作品の出来、落胆は「偽りの報酬」程ではないが、個人的に物足らなさを感じずにはいられなかった。

151205

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