緻密さよりもノリ!「劇場版 MOZU」を観る
今日は仕事帰りに「劇場版 MOZU」を観てきた。テレビシリーズ未見の方はお断り、シリーズ既出キャラは一切説明なしの割り切り。冒頭から超ハイペース、かなり雑に思える編集は明らかにノリで魅せる演出。緻密さの光ったテレビシリーズに相反し、それが劇場版の意図に思える(そこに本作の好き嫌いがあるかも)。日本犯罪史の闇:ダルマにビートたけしを迎え、倉木は我が子の死の真実に迫っていく。
ビル占拠による爆破テロが起きた。警視庁を撹乱するテロリストたち。同時に彼らが画策したのはペナム大使館襲撃。彼らの本当の狙いは大使館に居る少女であった。大使館からの退避命令の出た車を襲うテロリスト。少女に手が伸びた瞬間、そこに居たのは倉木だった。少女を助けた倉木はテロリストたちのある計画に巻き込まれていく。
本作がテレビシリーズに比べ、何となく先が読めてしまうのはダルマという終着点ゆえの事。だからこそ映像とノリで魅せる。Season1での放送コードギリギリの死にっぷりも凄かったが、劇場版はその比でない残酷さ。そんなテロリストの一人、松坂桃李による模倣犯は本家にない妖艶さを持つ。もちろん長谷川博巳演じる東も登場。東と倉木の(ファンにとっては面白)トークは健在。毎度の事ながら「クラッキー」のセリフには思わず噴いてしまう。
ダルマにたけしを配したのは正解。たけし自体一種のバケモノ。ダルマという崇拝され徹底した悪の存在、戦後のバケモノ、そしてテロリストたちの計画とその真意。劇場版の物語はより非現実に、より劇画的に描かれていく。炎に囲まれた倉木とダルマが対峙するクライマックスも見どころだ。ちなみに今回劇場版を観ていたら、これまでテレビシリーズに登場したダルマがビートきよしに見えてきた。
倉木、大杉、明星、そして新谷。「MOZU」シリーズの集大成、終幕、「MOZU」的大団円に物語は向かう。そんな一抹の寂しさはあるが、シリーズとして一つの区切りとなろう。ただ個人的に願わくば、次はシリーズ愛すべきヒール、東のスピンオフを観てみたい。
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