「セッション」(WHIPLASH)のサントラを買う
映画「セッション」を観てから気になっていた、同作のサントラを買った。ダウンロード?いまだパッケージ販売でないと買った気がしない。限られた財布の中身からの捻出。パッケージソフトは年に1、2枚買えればいいほう。そんな中「欲しい」と思わせる動機が本作にはある。
聴きどころは劇中でも主にフィーチャーされた「WHIPLASH」「CARAVAN」の2曲が目立つ。劇中同様、汗がほとばしるような描写。クライマックス、主客逆転する瞬間の後、ニーマンがリード、9分にも及ぶ熱演「CARAVAN」も劇中を想起させる出来。そして何気にその間に配置されている「Fletcher's Song In Club」がムーディーで良い。iPodでもこの3曲がヘビーローテション気味である。
また「Fletcher's Song In Club」は本作の映画音楽的な側面を持つ。同曲の変奏曲である「Call From Dad」「Hug From Dad」と激しい作風の中で主人公の心に静寂をもたらす。そして事態は暗転する「Accident」は主人公の焦燥を感じさせる。全体的に緩急のつけ方が巧い。劇中のJ.K.シモンズのダイアローグもアクセントとなっている。
このサントラを聴いて、やっぱりこれは映画なんだなぁと思う。世間で勃発した「セッション」論争(?)も音楽的側面と映画的側面のぶつかり合いだったが、個人的にはプロの目から見て音楽的(現実的、技巧的)にはダメだとしても、映画的にはアリである。このサントラの構成からも然り。あくまで音楽映画の形を借りた心理劇、復讐劇なのだから。
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