「トランセンデンス」を観る
今日は休出。そんな仕事前、WOWOWで録ってあったジョニー・デップ主演「トランセンデンス」を観た。エンドロールを見て、「クリストファー・ノーラン製作なのか」と気付くが、テーマは壮大で興味深くとも映画としては”ダメダメ"な作品であった。それはこの作品に関して大きな理由を感じていたからだ。
人工知能を研究する科学者ウィル。だがその進化を恐れるテロ集団の手によって瀕死の重傷を負ってしまう。ウィルは猿の意識をコンピュータにアップロードする研究を進めていたのだ。妻エヴリンは死にゆくウィルの意識を人工知能PINNへアップロードしようと試みるのだが。そして肉体を失ったウィルは”トランセンデンス”、超越した存在に進化していく。
物語は情緒的、哲学的に淡々と進む。これ、劇場で観たら寝てたかもしれない。作りは一見昔観た「デッドリー・フレンド」のコンピュータ版で、好きな人を甦らせた顛末が描かれていく。ただテクノロジーに対する警鐘と思いきや、ウィルの愛情の表れだったというオチ。そのためなら瀕死の作業員を手術し、自らのハブへ代替する。そしてナノマシンを駆使し、世界を変えていくのだ。映像のダイナミズムはノーラン組らしさに溢れているが、ただそれだけで退屈だった。
この作品がダメダメな大きな理由。技術的、映画的にも沢山あるだろうが、個人的にはキャスティング。ジョニー・デップとモーガン・フリーマンなのである。何しろこの二人、作品の出来不出来の差が激しい。おそらくキャスティングありきの作品に多く出るからだろう。特にモーガン・フリーマンには苦湯を飲まされる事が多い。そして本作での存在感の無さといったら。どのキャラも立たず、映像ばかりに着目した作品の弱点でもある。予告編以上の出来は期待しないほうがいい。
| 固定リンク
コメント