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2015/05/30

「ベニチオ・デル・トロ 広島へ行く(海外版)」を観る

150530

 日本映画専門チャンネルで放送、録画しておいた「ベニチオ・デル・トロ 広島へ行く(海外版)」を観た。最初はタイトルを見てお笑い系と勘違いしてしまうような、興味本位で録画したものだったが、内容はとても真摯で興味深いものであった。

 ベニチオというと「トラフィック」や「21グラム」で知られる南米出身のハリウッドスター。個人的には「007 消されたライセンス」での鮮烈デビューが思い出される。とにかくギラつき、危険な表情が印象に残っている。そんな彼が新藤兼人監督を接点に広島を訪れる事になった。

 あるシンポジュウムをきっかけに紹介された新藤作品2作から彼自身が「監督への愛情の花が開いた」と賞するように惹かれたという。そして新藤作品の中で広島を舞台とした「裸の島」「原爆の子」の世界を追ったのが今回の来日の目的。そんな2012年5月に来日した三日間の模様を追ったドキュメンタリーである。

 初日「裸の島」のロケ地探訪からスタート。宿願であった宿彌島(しきねじま)に立つベニチオ。劇中のシーンがインサートされ、違いと共に変わらぬ風景に驚かされる。ライカで撮りまくる彼の姿、また現地の熱烈歓迎に登場人物よろしく木のオールを漕ぐ姿が微笑ましい。

 そして二日目、原爆ドーム、広島平和記念公園、平和記念資料館を訪れる。爆心地に近い原爆ドームが何故その形を留めたか、その理由を知らされる。ベニチオだけでなく観ているこちらも知らない事実。当時ドームは銅製であり、これが原爆爆発後に避雷針の役割を果たし、爆風が下方に吹き抜けて今の形を留めたのだ。どれだけの日本人が知っているのだろうか。これに限らず初めての知見も多い。このドキュメンタリーはベニチオの目線で広島、原爆の真実を追う。

 資料館で白いTシャツを土産に買うベニチオ。被爆者の体に濃い模様柄が焼きついたエピソードへのアンチテーゼ。今も戦争の火種が消えない事への皮肉でもある。冷静に広島、原爆を語るベニチオ・デル・トロ。このドキュメンタリーを観ると、あの法案通しに躍起となるこの国の宰相に「ちょっと待てよ」と思わずにはいられない。平和記念公園の静寂さ、子供たちの姿こそが未来に繋げるべきものだと思うのだ。これを世界に発信、その一点だけでもこのドキュメンタリーの価値がある。


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