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2015/02/28

「アメリカン・スナイパー」を観る

 今夜は盟友N氏とクリント・イーストウッド監督作品「アメリカン・スナイパー」を観てきた。イーストウッドは昨年の「ジャージー・ボーイズ」といい、老いてなお旺盛な制作意欲。今回はブラッドリー・クーパーの買い付けた企画をイーストウッドが映画化。冒頭から映像、演出とも力強く、衰えは全く感じない。イーストウッドの年齢を考えればむしろ驚きしかない。そんなイーストウッドの演出にブラッドリーは心身ともに渾身の演技で応えている。

 9.11後のアメリカ。掃討作戦のため、イラクへ送り込まれるシールズ。その中にクリス・カイルがいた。幼少から育んだ愛国心と仲間を守るため、狙撃手として伝説と呼ばれる力量を発揮する。だが懸賞金を懸けられる程に恐れられる上、敵の最強スナイパー ムスタファと対峙する事になる。そんな戦場での恐怖、帰国を繰り返し、やがてクリスの心は病んでいく事になる。

 4度の出征、戦場で父親の教えを体現するクリスだったが、家族、そして自身に犠牲が生じてしまう。本作は極限の戦場と帰国時のカイルを対比し、心境の変化を伝える。次々に倒れる同僚、そして控える結末に知ってはいても言葉が出ない。衝撃のラスト、エンニオ・モリコーネの楽曲が流れ、作品は最大のコントラストを迎える。イーストウッドは最後まで決して伝説、英雄を美化する事なく、淡々と出来事を伝える。

 本作最大のコントラストは迫力の映像、激しい銃撃、爆撃があってこそだ。そこには常に戦場の生む狂気が潜んでいる。カイルが心の拠り所を求め、電話で妻と繋がっていようが、銃撃が起きた瞬間に二人を分かつ。そんなカイルが苦しむ一方、観る者はその背景(戦争、対立、国家、家族)を考えさせられる。だがその背景は現在も世界が抱えている問題でもある。戦場の現実を知るためにこの作品を観て欲しい。

201502282


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