森高千里「古今東西~鬼が出るか蛇がでるかツアー‘91~完全版」を観る
森高千里の「古今東西~鬼が出るか蛇がでるかツアー‘91~完全版」(ブルーレイ、初回限定盤)を購入した。完全版の所以は91年3月3日、中野サンプラザのライブを完全収録している点。全曲収録とはいえ、レーザーディスクで擦り切れる程観た身としてはタイトルにテロップもなく、没入感に欠ける。その点、初回限定盤はこれにLD盤と同じ構成のアップコン版ブルーレイが入っており、そちらから鑑賞を始めた。
アルバム「古今東西」はシングル「17才」でブレイク以降のリリースで名曲「雨」を含む名盤。これを中心に森高自身のシングルやカバーを散りばめ、「鬼たいじ」から始まるアルバム「古今東西」の世界観を再現したステージが見どころ。ドキッとする早変わりに観客も含めノリノリのステージ。合いの手、曲間のMCも観ているうちに思い出してきた。
個人的に一番好きなのは「17才」「その後の私(森高コネクション)」のLD版B面に当たる流れ。ユーロビート調の「17才」は当時賛否両論があったが、はちきれんアクションと相まって今見ても迫力がある。そして何より「その後の私」は学生時代の友人と曲名を”ヨシコ”と称してライブで汗を流した曲。そう実はこのライブを生で観ているのだ(正確に言うと中野サンプラザの最終日だけど)。だから恥ずかしながら、この曲も含めてどの曲も合いの手とフリはパーフェクトに記憶している。
アップコンバートされた映像はまずまず。所詮SD収録ゆえ、鮮鋭感を望むのは苦しい。ただ観ているうちに気にならなくなる。それにLD版から素性の良かった画質は継承し、特にステージ上のライトアップされた森高の表情が美しい。そして音はリニアPCMだよ。圧縮音声は日々進化を続けるが、やっぱ90年代の音源ならこれ。クリアで力強い。とにかくステージパフォーマンスが最高。あの時代の熱気、熱いよ。あらためて実家の大画面で観てみたくなる(数年、放置状態でブルーレイ対応はしていないが...)。
ちなみに完全版とオリジナル版では音量レベル、音質が違う。アーカイブ、収録音声の分解能がいいのか、オリジナル版で聴こえなかった音も感じる。この点も含め音に関してはやや完全版の方が上だ。また完全版には「晴れ」「ミーハー」が加わり、曲間の(着替え時間の)寸劇、MCも完全収録されている。このブルーレイを観てライブ当時「365歩のマーチ」が流れていたのも思い出した。
カット割りは完全版に合わせ観客側からの目線を意識した作りになったようだ(収録インタビューでもそこに触れている)。ただオリジナル版の表情を追う映像とテンポあるカット割りは捨て難い。また歓声もオリジナルの方が意識的に音量が高い。初回版は当時のツアーパンフに会報と今のインタビューと初回限定版はてんこ盛り。最初は通常盤でもいいかと思ったが、違いは多くオリジナル版所持者を含め森高ファンには初回限定版を薦めたくなる。
久しぶりに森高のライブを観て火が点いてしまったなぁ。同世代、一緒に年を経てきて今も活躍する森高。セルフカバーした新譜も気になるし、去年出た「森高ランドツアー」に「1990年の森高千里」と資金が貯まったら欲しいよ。やっぱ森高は今でもずっとワンアンドオンリーな存在だね。
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