「山田孝之の東京都北区赤羽」が面白い
新年1st4半期となり、多くが新番組に入れ替わる。かつて「振り向けば...」と称されたテレビ東京も今や企画力で他局の追随を許さない個性的なテレビ局、現在最も生活に欠かさないと言っていい。深夜は特に挑戦的でご存知の「孤独のグルメ」「ドラマ24」シリーズ等を生んでいる。そんな金曜深夜に「山田孝之の東京都北区赤羽」が始まった。妻が年末年始のテレビガイドにチェック、ただ「何これ?」と言っていた番組だ。
第一話。山下敦弘監督作品(代表作「リンダリンダリンダ」他)、映画「己斬り」ラストカット、冒頭に首に自らの刃を晒し、命を絶とうとする浪人。演じるは山田孝之。昨年「信長協奏曲」で曲者、木下藤吉郎を演じた実力派俳優。だがそんなクライマックス、彼が自らの演技に迷い、撮影を中止させてしまう。数日後、山下監督に謎の宅急便、そして監督を呼び出し、山田は「赤羽に住みたい」と切り出す。その理由こそマンガ「東京都北区赤羽」の舞台、赤羽に移り住み自己回帰を見出したいという。
山下監督はそんな山田孝之の姿を映像で追う。第一話終盤、マンガの作者清野とおると合流。第二話では原作に登場する実在の人物たちとの交流が描かれていく。これはマンガの実写化なのか、ドキュメンタリー、いやドラマなのか。その境目が判らないゆえの面白さ(第一話のエンドロールにヒントはありそうだが、今は深く考えない)。また原作未読なため、何処まで原作のエッセンスは分からないが、第二話での個々のエピソードがとにかく面白い。そしてラストでジョージさんの説教、山田の表情の対比が堪らない。
この番組、毎回何が起こるかわからないドキドキ感に溢れている。今季の番組の中でも秘めた面白さは出色だ。何につけ山田の役者としての器用さ、原作のポテンシャルが今後の見どころとなろう。テレビ録画のため、ディスクに焼けないのが心残り。でも最後まで見逃せない番組となった。
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